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睡眠障害【不眠症】

睡眠障害【不眠症】
睡眠障害【不眠症】

福岡天神は、日中が暑いものの、朝と夜は少しずつ気温の変化が現れ、秋の陽気となって参りました。新しい生活様式になった今日では、6年前位と比べて、生活のリズムやテンポが変わった方も中には多くいらっしゃるのではないでしょか❔

健康や運動の面で言えば、日常の環境の変化とともに、知らず知らずのうちに、自分の体に変化が 起きていることに気づく頃だと思います。体や脳や精神面などは、ストレスがかかった状態、またはストレスが少なすぎた時期だけではなく、そういった時期が積み重なったもので今の体ができていると思います。

こんな話をよく聞きます。お水の入った軽いコップを右手に握り浮かして持っておく。最初はなんともない重さでも、、、持つ時間が少しずつ伸びるにつれて、 軽かったはずのコップを重たく感じるようになる。そうすると腕にかかる負荷は上がっていきます。 ストレスや体にかかる負担は、このように蓄積されて、いつか体に大きな影響を及ぼします。 ですから、正しい知識を身に付けて、事前に予防をしていきましょう。

睡眠障害は国民病

睡眠障害は国民病
日本では、一般成人のうち約21%が不眠に悩んでおり、約15%が日中の眠気を自覚しているとの調査結果があります。
こうしてみると、成人の5人に1人、つまり1500万~2000万人の人が不眠に悩んでいると推計されます。
背景には、人口の高齢化、ライフスタイルの多様化、24時間社会における生活リズムの乱れ、ストレスなどがあるのかもしれません。

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不眠の種類

不眠の種類

不眠といっても症状は人それぞれ様々で不眠のパターンによっていくつかの種類に分けられます。

不眠症タイプ

入眠困難

床についてもなかなか(30分~1時間以上)眠りにつけない。

中途覚醒

いったん眠りについても、翌朝起床するまでの間、夜中に何度も目が覚める。

早朝覚醒

希望する時刻、あるいは通常の2時間以上前に目が覚め、その後眠れない。

熟眠障害

眠りが浅く、睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られない。



朝早く目が覚めたり、途中で何度も目が覚めたりといった症状がうつ病との関連が強いとされていましたが、最近の研究では、寝付きが悪いことが最もうつ病と関連しているとされています。

どちらにせよ、うつ病ではどのパターンの不眠にもなる可能性があります。
また統合失調症や双極性障害などの慢性疾患の症状悪化の前兆としても不眠が出現することもあるので注意が必要です。

よい睡眠のための10のコツ

よい睡眠のための10のコツ
よい睡眠のための10のコツ

1.良い睡眠をとることでからだもこころも健康になります

睡眠は心身の疲労を回復する働きがあります。
睡眠が足りなくなると生活習慣病のリスクが高まることが知られています。また睡眠不足はうつ病や不安障害などこころの病気の危険因子となる可能性もあると言われています。
睡眠不足や睡眠障害による眠気が集中力低下につながったりストレスホルモンであるコルチゾールを増加させるという研究結果があります。

2.早寝早起きでなく早起き早寝

昔から早寝早起きと言われますが、現在では「早起き早寝」の方が良いと言われています。
早起きすることで夜早い時間に眠れるようになり、翌日も早起きできるようになります。 朝早起きをして日光を浴びることで体内時計がリセットされ1日のリズムを整えます。
また朝日光を浴びることは心を穏やかに保つ働きのあるセロトニンの活動を高める働きがあります。

3.眠る前の飲酒は睡眠の質を低下させます

就寝前にリラックスすることは質のいい睡眠に有効です。
睡眠薬代わりにお酒を飲む方もいるかと思いますが、就寝前の飲酒は睡眠の質を悪化させるため控えるようにしましょう。お酒は一時的に眠りやすくはしますが、睡眠が浅くなり熟睡感が少なくなります。
またお酒には耐性があるため徐々に量が増えていきアルコール依存などのリスクがあることも知られています。

4.夕方以降カフェインの含まれた飲み物の摂取は控えるようにしましょう


就寝前3~4時間以内のカフェイン摂取は寝入りが悪くなったり、睡眠を浅くする可能性があるため、控えるようにしましょう。
カフェインは覚醒作用があり、この作用は3~4 時間続くと言われています。また、カフェインには利尿作用があり夜中に尿意で目が覚める原因にもなります。

5.年齢に応じて適切な睡眠時間を

成人の睡眠時間は6~8時間が標準的と言われています。しかしながら適切な睡眠時間は個人差があり、加齢によっても徐々に減っていくことが分かっています。
10代前半では8時間以上、25歳では約7時間、45歳では6.5時間、65歳だと6時間と20年後ごとに30分程度減少していくことが知られています。

ただし必要な睡眠時間以上に長く睡眠をとったからといって、健康になるわけではありません。日中の眠気が出ない程度の睡眠時間であれば良いということを知っておくことが重要であると考えられます。

このようなコツもあります。

6.いい睡眠のためには環境づくりが重要

よりより睡眠をとるためには環境を整えることも重要です。 睡眠をとる場所はリラックスが出来、安心感のある空間であることが重要です。
また睡眠環境のポイントとして明るさ、音、温度湿度が挙げられます。 まず明るさとしては眠るときの明るさとして0.3~1.0ルクスが良いと言われています。0.3~1.0ルクスというのは薄暗くものの形がうっすらと分かる程度の明るさです。

また寝る前に携帯電話から発されるブルーライトは睡眠の質を悪くするので避けた方が良いです。
つぎは音になります、睡眠には40dBA(デシベルエー)以下の音環境が望ましく、50dBA以上になると半数の人は眠りにくくなると言われています。40dBA以下の音の目安はそよ風に揺れる木の葉の音や静かな図書館くらいの音です。

できるだけ静かな環境が望ましいのですが全くの無音だと不安な気持ちになるため眠りにくくなることが分かっています。 寝る前にリラックス目的で音楽を聴くことはいいですが、テレビやラジオをつけっぱなしにして寝てしまうと睡眠の妨げになるのでタイマー機能などを使うのもいいでしょう。

睡眠中の温度は33℃前後、湿度は50%前後が良いとされています。季節によって過ごしやすい、心地よいと思える範囲で衣類や寝具、またエアコン等を活用して温度、湿度は設定するようにしましょう。 入眠時は、身体内部の温度が効率的に下がることによって眠気が促されるので入眠30分~1時間程度前に入浴して体温を上げることも効果的です。

7.適度な運動で良い睡眠を

日中に適度な運動を行うことで、睡眠と覚醒のリズムを整えることに役立ちます。
また運動は中途覚醒を減らし、睡眠を安定させ熟眠感の向上につながります。 また運動は睡眠だけでなく、加齢によって低下する日常生活動作(ADL)の維持向上にも効果がありますし、生活習慣病の予防にも効果的です。

8.眠くなってから寝床に入るようにしましょう

寝つける時間は季節や日中の活動量によって変化します。寝る前の2~3時間は最も寝付きにくい時間です。
一度不眠を経験すると、不安になり早くから寝床に入る方がいますが、意図的に早く寝床に入るとかえって寝付きが悪くなります。 眠くなったタイミングで寝床に入るのがスムーズな睡眠へのポイントです。
眠たくないのに無理に眠ろうとすることで緊張や不安が強くなり悪循環になってしまうことは不眠の方でしばしば認められます。

9.長い昼寝は不眠には逆効果

睡眠不足があれば眠気があるのは当然で、対策には昼寝がお薦めです。
午後3時前までの1時間以内の昼寝は夜の睡眠に影響がないと言われています。30分程度の短時間の昼寝はその後の集中力を高め作業効率を良くすることにも寄与します。
お勧めできないのは夜間の不眠があるためその分昼寝をしてしまうことです。長時間の昼寝をすることで夜間の睡眠も浅くなるので悪循環に陥ってしまいます。

10.不眠があれば専門家に相談を

寝付けない、睡眠が浅い、寝ても日中の眠気が強いなど、睡眠に関して問題があり日常生活に支障が出るなど困った場合は早めに専門家に相談することが重要です。
睡眠不足は上にもあげたように体の病気、心の病気の原因となります。 睡眠習慣に関して適切なアドバイスを受けることで睡眠が改善するきっかけとなる可能性があります。
また睡眠障害自体がこころの病気の前兆の可能性もあります。
睡眠薬などの薬を使って治療をする場合は医師から指示された用法や用量を守り、薬剤師から具体的な服薬指導を受けることが重要です。
また、お酒とを一緒に飲まないことは特に重要です。お酒と睡眠薬を同時に飲むとふらつきなどの副作用が強く出現したり、記憶障害、等が起こる可能性があり、危険です。 睡眠薬を飲み始めて副作用や気になる症状が出た場合は、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

睡眠時無呼吸症候群も注意です

睡眠時無呼吸症候群も注意です
睡眠時無呼吸症候群について

【睡眠時無呼吸症候群】
 睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome; SAS)は,睡眠中に何度も呼吸が止まったり,浅くなったりして体の低酸素状態が発生する病気です.この病気の方は,
1)周囲の方からいびきを指摘される,
2)夜間の睡眠中によく目が覚める(息苦しくなって目覚めることもあります),
3)起床時の頭痛や体のだるい感じ,
4)日中の眠気などを経験します.

【睡眠時無呼吸症候群の病態】
 睡眠時無呼吸症候群には,口や鼻から肺の入り口である声帯に至る空気の通り道が細くなるために発生する閉塞型,呼吸を調整する脳の働きが低下するために発生する中枢型,これら両方が関係する混合型に分けられますが,閉塞型が大部分を占めます.

閉塞型の睡眠時無呼吸症候群の原因のひとつは肥満です.睡眠中には,のどの緊張が緩むため,正常の人でも空気の通り道が細くなりますが,呼吸が止まるまでには至りません.しかし,肥満の人では,のどへの脂肪沈着が増加するために空気の通りが悪くなるのです.

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他にも、、

肥満のない方でも,アゴの骨格(下顎骨が小さいなど)やのどの奥の形(扁桃腺や口蓋垂が大きいなど)によっては空気の通りが悪くなり易く,無呼吸の原因となります

また,飲酒や睡眠剤の内服は,のどの緊張を緩める作用があり,無呼吸を増加させる可能性があります.

【睡眠時無呼吸症候群の合併症と予後】
この病気のこわい所は,睡眠中の低酸素や日中の眠気などによるストレスのために,高血圧,脳卒中,心筋梗塞などの虚血性肺疾患の発生を増加させることです。糖尿病,高脂血症もしばしば合併します。

これらの合併症により,突然死される方もいるそうです。

日本の睡眠呼吸障害研究会の検討でも(2000年)では,後に示す無呼吸低呼吸指数が20以上の患者では,20未満の患者に比較して,明らかに寿命が短いことが報告されているそうです。

さらに,昼間の眠気は様々な事故につながります。ですから,この病気を正確に診断し,必要に応じて治療を行うことは重要だそうです。

まとめ

まとめ
睡眠は私たちの生活において非常に重要な役割を果たしています。良質な睡眠は体の健康、精神的な安定、日常生活におけるパフォーマンスに大きな影響を与えます。しかし、睡眠障害は多くの人々にとって現実の問題であり、それに対処するための方法を知ることは重要です。このコラムでは、睡眠障害についての理解と、質の高い睡眠を実現するためのアドバイスに焦点を当てます。

睡眠障害とは何か?

睡眠障害は、通常の睡眠パターンや質に問題を抱える状態を指します。主要な睡眠障害には以下のようなものがあります:

不眠症
不眠症は、寝つきが悪い、途中で目が覚める、早朝に目が覚める、などの症状が見られる状態です。これにより、日中の活力や注意力に影響が出ることがあります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)
SASは、呼吸が一時的に停止することがある状態で、通常は鼾を伴います。これにより、夜間の質の悪い睡眠と昼間の過度の眠気が生じます。

過度の日中の眠気
日中の眠気は、不十分な睡眠や睡眠障害によって引き起こされることがあります。これは安全運転や仕事中のパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。

良質な睡眠のためのアドバイス

睡眠障害に悩む人々にとって、質の高い睡眠を実現するためのアドバイスは非常に役立ちます。以下に、良質な睡眠を促進するためのいくつかのポイントを紹介します:

1. 睡眠習慣を整える
毎晩同じ時間に寝床に入り、同じ時間に起きる習慣を身につけることで、体内時計を調整しやすくなります。

2. 快適な寝環境を整える
寝室を快適な場所にするために、適切な温度、暗さ、静かさを確保しましょう。また、快適なマットレスと枕を選びましょう。

3. 適度な運動を取り入れる
運動は睡眠の質を向上させる助けになりますが、寝る前の激しい運動は避けましょう。

4. 食事と飲酒に注意する
大きな食事やカフェイン、アルコールの摂取は、睡眠に悪影響を及ぼすことがあります。特に夜遅くにこれらを摂るのは避けましょう。

5. スクリーンから遠ざかる
テレビ、スマートフォン、コンピュータなどのスクリーンを寝る前に使用することは、睡眠に悪影響を及ぼすことがあります。寝る前にはスクリーンから遠ざかりましょう。

まとめ

睡眠障害は生活に多くの影響を及ぼす可能性がありますが、適切なアプローチと習慣の変化を通じて、質の高い睡眠を実現することができます。睡眠に関する問題を抱えている場合は、医師や専門家と相談し、適切な治療法を探ることが大切です。質の高い睡眠は、体と心の健康に不可欠な要素であり、積極的に取り組む価値があります。