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四十肩、五十肩とは

四十肩、五十肩とは
四十肩、五十肩とは

福岡天神は雨模様となっております。季節の変わり目で体調を整えるのが難しい時期となっていますが、皆さんはコンディショニングいかがでしょうか?また、普段から抱えていた関節の痛みなども痛みが増してしまうような気候となっています。

暑かったり、寒かったりすることで疲労も溜まりやすくなり、また筋肉の疲労も増えていきます。当然、筋肉が疲労すれば筋収縮が起こり、関節と関節の間を縮めてしまいます。そうすることでインナーマッスルが関節に挟まり痛みが発症するなんてこともよくあります。

今回は肩に注目して、四十肩五十肩の知識を皆さんで再学習し、知識をアップデートしながらご自分のコンディショニングへいかして行きましょう。

四十肩(五十肩)とは

四十肩、五十肩とは
四十肩(五十肩)とは、肩関節の周りに炎症が起こり、スムーズに動かなくなる症状のことです。
そもそも四十肩という病名は存在しません。日常会話の中で使われる「俗称」という位置づけです。「肩こり」や「ぎっくり腰」などと同じような用語になります。しかし、あまりに一般的に使われ、さらに、その四十肩 (五十肩) に完全にピッタリな正式病名がないことから、しばしば病院やクリニックでも四十肩 (五十肩) という言葉で説明されることが多いそうです。

この四十肩とか五十肩って言うのは、ご存じだと思いますが、40歳代から50歳代に多い肩の痛みという、それだけの意味だったりします。ですから、「あなたは四十肩ですね」っていう説明だけでは、ほぼ何の説明にもなっていないわけです。四十肩 (五十肩) という言葉を使って説明をする際には、「俗に言う四十肩 (五十肩) と言って、具体的には・・・」という、原因にまで説明をするようにしています。

四十肩(五十肩)はピッタリな正式病名がないと言いましたが、広い意味での病名としては肩関節周囲炎というものがあります。これは肩関節の周りに炎症が起こっているという、これまたザックリした病名になるわけです。

具体的には、、、

四十肩 (五十肩) の原因は、具体的には腱板というインナーマッスルのスジに炎症が起こっている腱板炎であったり、力こぶの筋肉である上腕二頭筋の一部のスジに炎症が起こっている上腕二頭筋長頭腱炎であったり、腱板疎部という肩の前方の膜や靭帯からなる部分に炎症が起こる腱板疎部炎であったりします。

肩関節周囲炎とは以下に起こる炎症のことをいいます。

腱板の筋に炎症が起こっている腱板炎
上腕二頭筋の一部の筋に炎症がお子あっている上腕二頭筋長頭腱炎
腱板疎部に炎症が起こる腱板疎部炎

これらのどこに炎症が起こっても肩関節周囲炎という病名で括られてしまうそうです。さらに、狭い意味での典型的な四十肩 (五十肩) としては癒着性肩関節包炎という病名があるそうで、これはかなり原因が絞られて、関節包という肩関節を包む膜に炎症が起こり、最終的には癒着してぶ厚くなってしまう状態です。

この癒着性肩関節包炎が、肩の強い痛みの後に、可動域が狭くなる、つまり肩が挙がらないとか回らない状態に至る典型的なケースだと考えてられるそうです。

原因はケースバイケース

原因はケースバイケース
原因は、ケースバイケースですが、四十肩(五十肩)の原因は、このように肩の周囲に炎症が起こっていたり、肩の関節包に炎症が起こったり癒着していることを、四十肩 (五十肩) の原因として説明されています。

ただ、厳密に言えば四十肩 (五十肩) で肩に起こっていること(メカニズム、正体)というのが正しい表現かもしれません。

つまり、なぜ四十肩 (五十肩) は炎症が起こったり、癒着が起こってしまうのか?ということに対する答えが原因になるとすれば、その原因は複雑です。

複雑で明らかでない部分ですから、いろんなことをおっしゃるトレーナーや治療家の方がおられます。この場でご理解いただいておいてほしいのは、「原因は明らかではない」ということと、「肩甲骨の動きの関係はあると考えられる」ということ、くらいです。他にも手首が原因だとか、前腕の筋肉が原因だとか、いろいろな説を唱えられる方がおられるので困惑してしまうかもしれません。

しかし、四十肩 (五十肩) の治療はそういう厳密な意味での原因を改善しないと治らないものではないそうです。
四十肩 (五十肩) で肩に起こっている炎症や癒着による拘縮などを改善すること自体が根本になるそうです。

そうでないと、四十肩 (五十肩) という言葉はあり得ません。それらの原因はご年齢とともに勝手に改善するわけでもないにも関わらず、六十肩、七十肩って言葉はありませんよね。

つまり、40歳代、50歳代に起こりやすい肩関節包の炎症や癒着を改善させることさえできれば良くて、その根本原因が改善されなければ、いつか60歳、70歳と年齢が増すにつれて六十肩や七十肩になってしまうという類いの疾患ではないということです。

典型的な症状

典型的な症状

四十肩(五十肩)の主な症状は以下になります。

腕を上げると痛みが出る、硬くて動かしにくい
腕を背中に回すと痛みが出る、硬くて動かしにくい
肩を開くと痛みが出る、硬くて動かしにくい
特に肩の前に痛みが出ることが多い


狭い意味での四十肩は癒着性肩関節包炎という病名で示されると説明しましたが、その炎症や癒着が起こる関節包は肩を全周性に取り囲んでいます。つまり、関節包は肩の前にも下にも後ろにも上にもあるわけです。ですから、典型的な症状の特徴は「全方向性の症状」と考えられるそうです。

そのため、上に上げようとしても、腕を背中に回そうとしても、肩を開こうとしても、あらゆる方向への動きで痛みが出たり、カタくて動かせなかったりするわけです。

ただ、関節包の中でも特に強い症状が初期から出やすいのが肩の前の腱板疎部という部分です。つまり、肩の前に痛みが出ることが多いということです。

腱板疎部炎
また、四十肩 (五十肩) というのは炎症期、凍結期、回復期という順番で・変化改善していくと言われていて、最初は強い炎症による痛みがきて、その後、痛みが減って関節がカタくなる(拘縮)、そして、その拘縮も回復していく。という流れが一般的とのことです。

これが典型的な四十肩 (五十肩) として説明されていますが、多くの四十肩 (五十肩) は、この典型的な症状に沿って進んでいく方は必ずしも多くないそうです。

最初から痛みが強くない方もおられれば、痛みが強い時期からなかなか抜け出せない方、強い拘縮を起こして日常生活が不便になる方もおられます。中には、痛みはあっても肩の可動域は十分保たれているという人もいます。

そして、なにより自然に数ヶ月で回復すると思いきや1年、2年、時にそれ以上と、年単位で苦しまれる方もおられるということです。このように一口に四十肩 (五十肩) と言っても、様々な症状を呈する方がおられますから、一度医療機関で診察を受けていただき、状態に応じた根本治療を相談されることをオススメしています。

初期症状のチェック

初期症状のチェック
四十肩・五十肩はどこが痛む?
初期症状チェック

以下のような症状が見られる場合には、四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)が疑われます。

四十肩・五十肩はどこが痛む?初期症状チェック
腕をあげると肩が痛い
痛くて腕をあげられない・肩を回せない
寝ている時の肩の痛み・目が覚める
起床時の肩の痛み
肩の痛みで反対側の肩を触れない
肩の痛みで背中、へそを触れない
洗髪や洗顔といった動作が辛い
服を着替える動作が辛い

セルフストレッチ

四十肩・五十肩を自分で改善できるストレッチ

ご自宅などでも取り組めるストレッチをご紹介します。
ただし、無理をして症状を悪化させてしまうことがあるため、注意が必要です。

振り子体操

腰の高さの台(テーブルなど安定している家具でもOK)に正対し、そこに両手をつきます。
痛まない側の手だけ台に残して支えとし、痛む側の手をだらんと床に向かって垂らします。
痛む側の手を“振り子”のようにして、前後左右に動かします。10往復ほどすれば、終了です。
※痛む側の肩の力をしっかりと抜くのがポイントです。
肩甲骨のアップダウン体操(四つん這い)

肩の真下に手首が、腰の真下に膝がくるように四つん這いになります。
背筋を伸ばし、肘が曲がらないように注意しながら、両肩甲骨を頭部の方へとゆっくりと動かします。
今度は、両肩甲骨をお尻の方へとゆっくりと動かし、元の姿勢に戻ります。
肩甲骨の往復を10回、繰り返します。
※頭部、腰の位置は変えないまま、肩だけを動かすのがポイントです。
肩甲骨のアップダウン体操(座位)

脚のある椅子に座り、姿勢を正し、肩・腕の力を抜きます。手は床に向かって下げておきます。
猫背にならないように注意しながら、両肩だけをゆっくりと上方へと上げます。
今度は、両肩をゆっくりと下方へ下げ、元の姿勢に戻ります。
肩を上げる・下げるのを1セットとし、10セット繰り返します。
※首を引っ込めたり、猫背になったりしないように注意しましょう。

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まとめ

まとめ
四十肩と五十肩は、肩関節周囲炎症の一種であり、特定の年齢層でよく見られる問題です。以下に、それぞれの状態について詳しく説明します。

四十肩(Frozen Shoulder)
定義: 四十肩は、肩関節周囲の組織が炎症を起こし、痛みや運動制限が生じる状態です。症状は徐々に進行し、肩関節の可動域が制限される特徴があります。

原因: 主な原因はまだはっきりしていませんが、炎症反応や組織の硬化、肩関節周囲の筋肉や靭帯の問題が関与していると考えられています。

症状:
肩の痛みやこわばり
肩関節の可動域の制限
痛みによる睡眠障害
日常生活や運動時の制限感
治療:

物理療法:ストレッチやエクササイズ、マッサージなど
薬物療法:炎症を抑える薬や痛みを和らげる薬
必要に応じて注射療法や手術なども行われる場合がある
五十肩(Shoulder Impingement Syndrome)
定義: 五十肩は、肩関節周囲の組織が圧迫されることで炎症が起こり、痛みや運動制限が生じる状態です。四十肩とは異なり、年齢に関係なく発生することがあります。

原因:

肩関節周囲の筋肉や靭帯の緊張や不調和
肩関節の骨や軟骨の異常
姿勢の問題や運動不足
症状:

肩の痛みやしびれ
肩を動かすときの不快感やカクカク感
肩関節周囲の筋肉の弱点感
治療:

物理療法:運動療法やストレッチ、マッサージなど
薬物療法:炎症を抑える薬や痛みを和らげる薬
必要に応じて手術が行われる場合もある
肩の痛みや運動制限は、生活に大きな影響を与える可能性があるため、早期の診断と適切な治療が重要です。医師の指導のもと、適切な治療プランを立てることが大切です。