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スーパーキッズトレーニング

スーパーキッズトレーニング
スーパーキッズトレーニング

福岡天神は今日も快晴となっております。近くの 大濠公園では、子供たちがうれしそうにボールを蹴ったり、走ったりしています。このような幼少期に体動かす事は、大人になってから健康を保つためにも非常に重要な部分だと思います。

Definiの理念でもある【人生に挑戦できる心と身体へ】 これを達成するためには、1世帯ごとの運動を行う文化が必要だと考えています。また、文化を作るためには運動する習慣を大人が持っている事が非常に子供に影響を及ぼすと思っています。

健康に不安がある大人の皆様は、自分のためだと、なんとなく後回しになってしまうことも多いと思いますが、ご家族や自分の子供または大切な方の未来を作るための運動習慣や運動文化と思えば頑張っていけるのではないでしょうか?

そのためには、まず子供の体がどういった状況になっているのかを知るのも1つの大切なポイントだと思います。今回は子供のトレーニングについて記載をしていきたいと思います。

スキャモンの成長曲線

スキャモンの成長曲線
子どもは大人のミニチュアではない

体幹トレーニング=体幹部を固めるトレーニング
いわゆる肘とつま先を床につけて体を支持する「プランク」などをイメージする方が多いのではないでしょうか?

相手との衝突やシュート時の片足着地時に体がブレないようにしたい。
ブレない身体を作るために行う体幹トレーニング。
ですが…実際はその体幹トレーニングを行う前に身体の土台が出来ているのか?がとても大事になってきます。

成長期の子供たちの発育発達過程を曲線の図にした『スキャモンの発育発達曲線』これは20才になるまでの人間の内臓や神経系などの発達がいつ完成するのかを記した図です。

身長・体重は出生直後にどんどん大きくなり、思春期にも再度急激に発達していきます。また、運動発達に大きく関与する中枢神経は12歳でほぼピークを迎えています。ただ、この発達の曲線は神経の量のみに注目されています。12歳以降は中枢神経の発達が無いということではありません。

一概にはすべての子どもにピッタリはまるとは言い切れませんが、この図を見ると、それぞれの年齢で身長体重・神経などの成長が各年齢で違うのがわかると思います。そのため、子ども達には発達に合わせてその時々に必要な運動要素を学習することが重要です。

また、同じ学年の子どもの成長度合いでも、生まれてきたのが4月と3月の早生まれの子では成長度合いが異なってきます。年齢に左右されすぎず、その子自身がどんな発達過程にいるのかを見極めることも大切です。

単に大人のミニチュアではない、子ども達の身体。
発達段階に合わせた運動学習ができていると、みるみるうちに様々なスポーツの動作を覚え自分のものにすることが出来ます。

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段階に合わせた運動の獲得

段階に合わせた運動の獲得
発育発達の過程から、12歳までのこどもたちの運動学習は4つのステージに分けることができます。

・第1ステージ 【基本機能獲得期】…0~3歳 
生まれてからハイハイや寝返りなどの過程を経て、直立二足歩行を獲得していく時期。

・第2ステージ 【基本機能安定期】…3~4歳
身に着けた直立二足歩行を安定させる時期。

・第3ステージ 【プレゴールデンエイジ】…5~8歳
神経系の発達が盛んで、この時期に豊富な運動の経験が次にくるゴールデンエイジ期に大きく影響します。

・第4ステージ 【ゴールデンエイジ】…9~12歳
動きの巧みさを身に着けるのに最適な時期であり、あらゆる運動を体で覚えることができる『即座の習得』の時期。

この4つの目のゴールデンエイジ期は、9~12歳になれば自然と来るものではありません。それまでの1~3のステージで必要な動きや運動経験をしてからこそのゴールデンエイジ期です。

例えば、赤ちゃんの頃に歩行器を使用しハイハイの経験が少ないという子どもの場合。ハイハイという四つ這いの動作は肩や股関節の安定性や機能性を高めるのに必要な動きです。ハイハイの動きの経験が少ないがために、歩く・走る・投げるなどの動きが苦手になってしまう一因になり得ます。

年齢はあくまでも目安ですが、各ステージの時期に適切な運動学習を行うことで『即座の習得』ができるゴールデンエイジ期を迎えることができます。

ゴールデンエイジを迎えるまえに

ゴールデンエイジを迎えるまえに

満を持してゴールデンエイジ期を迎えるために!
どんな動きの習得や運動経験が必要なのかをお伝えしていきます。

まず、大事になってくるのが【①姿勢の安定性】です。
生まれてから直立二足歩行ができるまでの動きをきちんと習得できているか?必要な経験数を経ることが出来たのか?が重要です。

赤ちゃんは誰が教えたというわけでもなく寝返りやハイハイ、高這いなどの動きを行って二本足で立って歩き出します。人間がもともと持っている理にかなった運動学習のプログラムを実践して立つことができているのです。姿勢が悪い、動き方に安定感のない子どもたちには、まず赤ちゃんが生まれながらに持っている優秀なプログラムを再学習させることで姿勢の安定性を図ることができます。

また、姿勢が安定することで体の土台を作ることができます。本来ならば、体の土台は遊びや生活の中で自然と培われていたものでした。しかしながら、どんどん便利な時代になり自分自身の体を動かさなくても大抵の物事をこなすことができるようになったり、自由に遊べる場が減ってしまったりと、生活様式の変化に伴い、体の土台を作る機会も場も失いつつあるのが現状です。

そのため、意識的にこの①の段階の運動経験をさせてあげることは現代のこともたちにとっては大切です。

コントロール

自分の体をコントロールして使う運動】です。
①で出来上がった体の土台に、走る・ジャンプ・登る・くぐるなどの動きを行うことで腕や足などの体の使い方を覚えることができます。

また、動きの経験が多ければ多いほど自分の体のサイズや各部位がどう動いているか?などの脳での理解が深まります。この理解が出来ていることはボディイメージとも呼ばれ、その後の運動の習得のスムーズさにも繋がっていきます。子どもたちにとって野球やバスケなどの一つのスポーツだけを行うよりも、様々な動きの経験をすることが重要です。

そこで、②の運動に一番適しているのは公園でのアスレチック遊具で遊び尽くすことです。うんていやのぼり棒、ブランコなど…自分の体を最大限大きく使って動かすことができます。

また、重力に対して自分の体をコントロールして動かす前転や倒立などの動きも良いでしょう。動画にある『だるま』『大仏』は前後左右に体を倒して起こすという動き。力を入れるタイミングや体の反動をうまく使えるようになります。

道具

次の段階は【③道具を使う、相手のある運動】です。
キャッチボールなどのボール遊びやかけっこを行うことで、自分以外のモノや相手に対してどう動けば良いのかを学習していきます。

そして【④ルールや競争性のあるスポーツ】に十分に取り掛かることのできる段階に入ります。
特に、①から③の運動発達の段階をきちんと踏むことでその後の競技でのパフォーマンスに大きな影響を与えることができます。

子どものスポーツのスキルアップを!とのぞむのであれば、スキルの練習や走り込みだけではなくその子自身の発達段階とその先を見据えることが非常に重要です。

7つの身体能力とは❔

7つの身体能力とは❔
筋力とは?
身体全体を動かすための土台となる能力です。
適切に筋力トレーニングを行えば、筋肉は太くなります。
しかし、筋力を高めたいと思った際に誤った知識でトレーニングを行ってしまうとオーバーワークやオーバーユース(筋肉の使いすぎ)になりがちです。そうなってしまうと、子どもの成長や発育を阻害する原因になりますし、そもそも子どもの筋肉は大人と違い、筋トレを行っても肥大することはありません。

筋持久力とは?
筋力を使って身体を長時間動かし続けられる能力です。
全身ではなく、特定の筋肉の持久力を必要とすることがほとんどで、反復運動で筋肉を動かし続けたり、鍛えたい筋肉に対してピンポイントで負荷をかけたトレーニングを行うことが効果的です。
但し、ポストゴールデンエイジを迎えるまでの子どもには器具や錘を使ってこういった大きな筋肉をピンポイントで鍛えることは身体への負担が大きいためオススメしません。

瞬発力とは?
短時間で筋力を爆発的にパワーを発揮する能力 です。
神経の伝達速度(反応にかかる時間)が早ければ早いほど、「高い瞬発力」を発揮することができます。陸上の 100m走や水泳の短距離といった種目が代表的ですが、サッカーや野球、バドミントンといった他の競技でも「瞬発力」が必要になる場面が実は多くあります。

心肺持久力とは?
運動時に呼吸機能を長時間正常に働かせられる能力です。
「有酸素性運動の能力」に密接な関係があり、一定時間の運動を継続することが可能な「体力」や「粘り強さ」を指します。低強度の運動を可能な限り長い時間行うことで毛細血管が発達して筋繊維内に流れ込む血液量が増加し、心肺持久力は高まります。血液の量が増えることに比例して、運搬される酸素も多くなり、有酸素運動に必要な酸素を長時間に渡って供給することが出来、最後まで良い状態でパフォーマンスをすることが可能になるのです。

敏捷性とは?
筋力を使って素早く反応し、その場の状況に応じて身体の位置を変えたり、迅速に方向転換を行なう能力です。アジリティとも言われます。
特に、敏捷性が必要とされる場面では、「バランス能力・コーディネーション能力」といった身体をコントロールする能力も求められます。

平衡性とは?
不安定な足場において、上手に身体のバランスを取れる能力です。小学校入学前後の6-7歳頃に「平衡性機能」は急速に発達し、二次性徴が始まる10-12歳頃に完成すると言われています。
野球やバスケ・サッカー・柔道といった「身体の重心の移動」がパフォーマンスの中に入ってくることが多く、スポーツにおいて必須な運動能力の一つです。運動時のフォーム(姿勢・動き)が良いと動きが効率的になるのでフォームとの関連性も非常に高い能力でもあります。

柔軟性とは?
関節が柔らかく、筋肉と腱が伸び、身体の反応に合わせてスムーズに動ける能力をいいます。関節の可動域が広いと、身体のバネも使いやすく、ケガを予防することも出来ます。トップアスリートの多くは、身体のバネを活かして力を最大限に発揮しています。

柔軟性には「静的柔軟性」と「動的柔軟性」があります。「静的柔軟性」は動きを伴わない身体の柔らかさをいいます。「あの子は身体が柔らかい!」などと言われる時はこの「静的柔軟性」です。
一方で、「動的柔軟性」は、パフォーマンスなどの動きがある中で必要となる身体の柔らかさを指します。スポーツを行う上では、両方の柔軟性が必要になります。

コーディネーショントレーニング

神経系が発達する時期にはコーディネーショントレーニングがオススメ!
神経系が最も発達する幼児期は、「運動を調整する能力」というのが著しく伸びる時期でもあります。この「運動を調整する能力」は、幼児期以降も新しい動きや初めて行うスポーツなどで「新たな技術を身につける時」に必要となります。運動時の状況に合わせて「体の動き」や「力の加減」を調整する「コーディネーション能力(定位能力・反応能力・連結能力・識別能力・リズム化能力・バランス能力・変換能力といった7つに分類されている)」を高めるためのトレーニングとして、「コーディネーショントレーニング」が効果的です。

運動時に、スムーズに身体を動かせる理由としては、脳と神経が連動し、「どのように動くのか」をきちんと筋肉に伝えていることにあります。
ですから、この「神経回路」がより正確に連携できると電気信号も早く伝わり、自分の思ったように身体をスムーズに動かせるのです。山梨大学教育学部長の中村和彦教授の著書(※)には、「日本のトップアスリートたちの約6割は、幼少期に毎日2時間以上遊んでいた」とも書かれており、幼少期は本格的なトレーニングよりも遊びを通して神経系を伸ばしていくことの重要性が明らかになっています。

小学校を卒業する前後で神経系の成長は100%に達してしまうからこそ、効率的に身体能力を高めるためには様々な動きを経験して「コーディネーション能力」を高めることが大切です。

自分の身体を自在にコントロール出来れば、より効果的に身体能力を高められる

自分の身体を自在にコントロール出来れば、より効果的に身体能力を高められる
現代の子どもたちは、運動をしたり身体を動かす遊びが減っており、そのことは文部科学省でも問題となっています。
幼児期の子どもが遊びを通して運動体験を行うことで、「体力や運動能力の向上・身体の動かし方の基本動作を身につける・心肺機能や骨の形成に好影響を与える」といった効果があります。
反対に運動体験が少なければ、体力や運動能力の向上はあまり見込めず、心肺機能や骨の形成といった成長にとって大事な部分に対しても問題が発生する可能性があります。

様々な運動や動き・遊びを体験していく中で、「立つ・座る・乗る・転がる・渡る・起きる・ぶら下がる・浮く・回る・走る・登る・歩く・跳ねる・よける・跳ぶ・くぐる・滑る・這う」といった動きを習得することで、「運動を調整する能力」が身に付き、自分の身体を自在にコントロールすることができるようになります。
これらの動きを幼児期に身につけ、神経系を伸ばしてから本格的にスポーツに取り組むことでより身体能力の向上やパフォーマンスの向上にも繋がります。

そもそも、筋力や持久能力などは神経系の発達がほとんど止まる「ポスト・ゴールデンエイジ期(13-14歳頃)」に著しく成長します。ですから、まだ幼児や小学生のお子様で身体能力を高めたい!と考えている場合は、筋トレや持久力を高めるトレーニングなどを行うよりかは「神経系の能力を高めて自在に自分の身体をコントロール出来るようになること」を優先することが大切です。

まとめ

まとめ
身体能力は、行動体力とも言われ、「筋力 ・筋持久力・瞬発力・心肺持久力・敏捷性・平衡性・柔軟性」といった7つの能力として分類されています。これらの能力はスポーツを行うためだけでなく、健康に生きていく中でも必要な能力になります。

中でも、「筋力・持久力」などはポストゴールデンエイジ期に著しく成長するため、幼少期に過度なトレーニングを行うことは効率的な成長を阻害する危険性にも繋がるため控えるようにしましょう。
反対に、「敏捷性・平衡性・柔軟性」は遊びを通して身につけられるといいですね。

これらの能力は、スポーツを行う上でより良いパフォーマンスに必須となるので適度に磨いていくことは大切です。
また、神経の伝達速度を高めることで瞬発力も向上します。

瞬発力は多くのスポーツに活かすことが出来ますから、コーディネーショントレーニングを通してしっかりと神経を全身に張り巡らせておくことで将来的に良いパフォーマンスに繋がります!

幼少期は月齢や体格差で違いが出やすい部分もあるので、目先の結果や成長を追うのではなく、お子様の将来を見据えて「身体能力」が向上するようにサポートしていきましょう!