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メタボとロコモ

メタボとロコモ
メタボとロコモ

福岡天神は、梅雨真っ盛りと言う感じで、雨の日が続いています。福岡といえば山笠と言うお祭りが7月の15日に毎年行われますが、梅雨明けも7月15日の山笠が終われば梅雨が明けると福岡の県民 の中では当たり前の言葉となっています。そのくらい、信憑性があり毎年この時期に梅雨明けが行われています。

さて、梅雨が明けるまではしばらく運動がしにくい時期となっていると思います。雨のせいで湿度が上がり体動かしたくなくなったり、日雨が降り外で体動かすことが難しいなど、体を動かさない理由が多くある時期ではありますが、この時期に汗をかいておかないと夏バテを誘発してしまう可能性があるので なるべく体動かす習慣を変えないように努めていきたいところです。

この直に自分の体を見直すと残り半年の運動計画を立てやすくなるのではないでしょうか?そしてコンディショニングを整えた状態で夏を迎え、メタボやロコモの対策を行い健康寿命を延ばすことを皆さんで行って行けたら良いですね。

ロコモティブ シンドローム

ロコモティブ シンドローム
ロコモ:運動器症候群:ロコモティブ シンドローム(locomotive syndrome)とは

「運動器の障害」により「要介護になる」リスクの高い状態になることです。
日本整形外科学会が、2007年(平成19年)に、新たに提唱しました。「ロコモ」の提唱には、「人間は運動器に支えられて生きている。運動器の健康には、医学的評価と対策が重要であるということを日々意識してほしい」というメッセージが込められているそうです。

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ロコモの原因

ロコモの原因

「運動器の障害」の原因には、大きく分けて、「運動器自体の疾患」と、「加齢による運動器機能不全」があります。

1)運動器自体の疾患(筋骨格運動器系)
 加齢に伴う、様々な運動器疾患。たとえば変形性関節症、骨粗鬆症に伴う円背、易骨折性、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症など。あるいは関節リウマチなどでは、痛み、関節可動域制限、筋力低下、麻痺、骨折、痙性などにより、バランス能力、体力、移動能力の低下をきたします。

2)加齢による運動器機能不全
加齢により、身体機能は衰えます。筋力低下、持久力低下、反応時間延長、運動速度の低下、巧緻性低下、深部感覚低下、バランス能力低下などがあげられます。「閉じこもり」などで、運動不足になると、これらの「筋力」や「バランス能力の低下」などと、あいまり、「運動機能の低下」が起こり、容易に転倒しやすくなります。

ロコモは国民病

ロコモは国民病
ロコモは国民病です

変形性関節症と、骨粗鬆症に限っても、推計患者数は4700万人(男性2100万人、女性2600万人)とされています。
ロコモはまさしく国民病といってよいと定義されているそうです。

ロコモは、「ねたきり」や「要介護」の主要な原因です
ロコモは、「メタボ」や「認知症」と並び、「健康寿命の短縮」、「ねたきりや要介護状態」の3大要因のひとつになっています。

ご高齢の方は、これらの「加齢」や「運動不足」に伴う、「身体機能の低下」や、「運動器疾患」による痛みや、易骨折性(軽微な外傷による骨折)など、多様な要因があいまって、いわば「負の連鎖」により、バランス能力、体力、移動能力の低下をきたし、ついには、立って歩く、衣服の着脱や、トイレなど、最低限の日常生活動作(ADL)さえも、自立して行えなくなり、「健康寿命の短縮」、閉じこもり、廃用症候群や、寝たきりなどの「要介護状態」になっていきます。

メタボとロコモ

メタボとロコモ

メタボ:メタボリックシンドロームは、心臓や脳血管などの「内臓の病気」で「健康寿命」が短くなったり「要介護状態」になる。

ロコモ:ロコモティブシンドロームでは、「運動器の障害」が原因でおこります。「ロコモ」と「メタボ」や「認知症」を、合併する方も多いという報告もあるそうです。

高齢者のtotal healthの観点からは、幅広い対応策が必要です。年を取って、寝たきりや、痴呆になって、要介護となることはできるだけ避けたいものです。これらの「健康寿命の延伸」、「生活機能低下の防止」には、予防、早期発見・早期治療が重要です。

意味

ロコモティブ:Locomotive

「運動の」という意味です。「機関車」という意味もあります。能動的な意味合いをもつ言葉で、「運動器」は広く「人の健康の根幹である」という考えを背景とし、「年齢」に否定的なイメージを持ち込まないことが必要だと考えて、選んでいるそうです。

運動器(locomotive organs)とは

運動器とは、骨・関節・靱帯、脊椎・脊髄、筋肉・腱、末梢神経など、体を支え(支持)、動かす(運動・移動)役割をする器官の総称です。

ADL(エーディーエル)Activities of Daily Living 日常生活動作
日常生活を送るのに「最低限必要な、日常的な動作」のことです。
例えば,寝起きや移動,トイレや入浴,食事,着替えなどです。Aはアクティビティー(activity)で動作,DLはデイリーリビング(daily living)で日常生活の意味。

直訳すれば,「日常生活のいろいろな動作」です。高齢者や障害者の身体能力や、障害の程度をはかる、重要な指標となっています。介護保険制度では、これらの動作一つ一つを、「できる、できない」で調査し,その結果で,その人に必要な介護レベルを決めています。日常生活動作が自立しているので,「通常の日常生活」が送れると誤解される場合がありますが「通常の日常生活」ではなく、あくまで「日常生活を送るための最低限の動作」を指しています。

要介護・要支援の原因

要介護になる理由は脳卒中(29%)、老衰(15%)、認知症(13%)、骨折・転倒(11%)、関節疾患(9%)などです。
一方、要支援は老衰(22%)、関節疾患(18%)、脳卒中(12%)、骨折・転倒(11%)、心臓病(7%)などです。

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健康寿命

健康寿命
健康寿命とは(WHO:2000年)

健康で日常的に「介護を必要としない」で、「自立した生活ができる」生存期間のことです。平均寿命より短い。平均寿命から介護(自立した生活ができない)を引いた数が健康寿命になります。日本人の「健康寿命」は、男性で72.3歳、女性で77.7歳、全体で75.0歳であり、世界第一位です。

世界の健康寿命のランキングをみてみましょう。WHO(世界保健機関)が発表している183か国を対象とした2019年の世界の健康寿命を見てみると、日本は健康寿命が長い国の1位にランキングしています。2位はシンガポール、3位は大韓民国、4位はスイス、5位はイスラエル、キプロス共和国です

世界の健康寿命の比較だけを見ると、日本は世界の中でも生涯、健康で過ごせる人が多い国だと思えますが、平均寿命と健康寿命の差も合わせて見てみましょう。

平均寿命と健康寿命の差

世界183か国のデータ中(同一の値は同じ順位として1~47位中)、健康寿命が長い国トップ5の国々の平均寿命と健康寿命の差は、シンガポールの27位から40位にランキングする結果となっています。

健康寿命が長い国は、平均寿命が健康寿命以上に長いため、平均寿命と健康寿命との差が大きくなり、健康が損なわれて介護が必要となる期間も長くなるのです。

フレイル

医学用語である「frailty(フレイルティー)」の日本語訳で、病気ではないけれど、年齢とともに、筋力や心身の活力が低下し、介護が必要になりやすい、健康と要介護の間の虚弱な状態のことです。

しかし、フレイルであることに早めに気付き、フレイル対策の3つの柱である栄養(食・口腔)、運動、社会参加に取り組めば、元の状態に戻ることもできます。日本老年医学会が2014年5月に提唱しました。

簡単チェック法(指輪っかテスト+イレブンチェック)

フレイル健診などで使われる基本チェックリストは、25の質問で構成されています。さらに、医療者などが評価する想定で作成されているため、セルフチェックに使うのはむずかしいと感じる高齢者も少なくありません。
そこで東京大学高齢社会総合研究機構(IOG)の飯島勝矢教授らの研究チームが、誰もがいつでもどこでも簡単に実施できる「フレイルチェック」を考案しました。

フレイルチェックは、「指輪っかテスト」と「イレブンチェック」で構成されています。
指輪っかテストは、「筋肉量の減少と筋力の低下(サルコペニア)」から、身体的フレイルが進行しているかどうかを評価する方法です。左手の右手の人差し指同士、同じように親指同士を結んで、ふくらはぎのいちばん太い部分を囲むように輪を作ります。結果を「囲めない」、「ちょうど囲める」、「隙間ができる」の3グループに分け、サルコペニアの危険度を判断します

まとめ

まとめ
ロコモと運動習慣
運動器は、ふだんの生活で身体を動かして負荷をかけることで維持されます。そのため、ロコモを防ぐには、若い頃から適度に運動する習慣をつけ、運動器を大事に使い続けることが不可欠です。

運動習慣は体力に大きな影響を及ぼします。スポーツ庁の調査によれば、どの年齢においても運動・スポーツの実施頻度が高い人ほど体力テストの点数が高く、ほぼ毎日運動する50歳の人は運動習慣のない30歳の人より体力が高いことが分かります。

自覚症状がなくても要注意

便利な移動手段の多い現代社会では、日常生活に支障はないと思っていても、ロコモになっていたり、すでに進行したりしている場合が多くあることが分かっています。また、高血圧など生活習慣病のある人は比較的若い頃からロコモの原因となる病気にかかりやすいことも分かってきました。
自分がロコモかどうかは、ロコモ度テストで簡単に判定することができます。すでにロコモである場合も、ロコモを進行させないことが重要です。いつまでも歩き続けるために、運動器を長持ちさせて健康寿命を延ばしていくことが大切なのです。