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背骨

背骨
背骨

福岡天神は今日も快晴となっております。 パリオリンピックも、日本人選手が 熱い試合を 繰り広げてくれているおかげで、寝不足になっている方も多いのではないでしょうか?勝敗に問わず、感動を与えてくれているパリオリンピック選手、またスポーツの素晴らしさを感じれる すばらしい時間ですね。

さて、私はこういった感動するスポーツを見てしまうと、自分が体を動かしたくなります。そう思う方も少なくないのではないでしょうか?しかしながら、スポーツをする準備ができていない状況で激しく体動かしてしまうとケガや故障の原因となってしまいます。

そこで、今回は、背骨に焦点を 当ててブログを記載していきたいと思います。硬くなった背骨や曲がってしまっている。背骨の状態のまま、トレーニングを始めると体に思った以上に 不可がかかり怪我の原因となってしまいます。障害予防を行いつつスポーツを楽しんでいきましょう。

背骨とは

背骨とは
背骨(脊柱)は、人体の重要な支持構造であり、複数の椎骨(ついこつ)から構成されています。
以下は、背骨の構造と機能についての詳細な説明です。

背骨の構造
背骨は33個の椎骨で構成され、それぞれが以下のように分類されます:

頸椎(Cervical Vertebrae):7個の椎骨(C1〜C7)
胸椎(Thoracic Vertebrae):12個の椎骨(T1〜T12)
腰椎(Lumbar Vertebrae):5個の椎骨(L1〜L5)
仙椎(Sacral Vertebrae):5個の椎骨(S1〜S5)で、成長とともに癒合して仙骨を形成
尾椎(Coccygeal Vertebrae):4個の椎骨(Co1〜Co4)で、成長とともに癒合して尾骨を形成

椎骨の構造
各椎骨は以下の主要な部分で構成されています:

椎体(Vertebral Body):椎骨の前部に位置し、重量を支える部分。
椎弓(Vertebral Arch):椎体の後方に位置し、椎孔(Vertebral Foramen)を形成。
椎孔(Vertebral Foramen):脊髄が通る空間。
突起(Processes):棘突起(Spinous Process)、横突起(Transverse Process)、関節突起(Articular Process)があり、筋肉や靭帯の付着点となる。
背骨の機能
背骨には多くの重要な機能があります。以下はその主要な機能と具体例です:

1. 支持と構造の保持

背骨は体の中心軸を形成し、頭部、胸郭、および上肢を支えます。例えば、頸椎は頭部を支え、腰椎は体幹を支える役割を果たします。

2. 保護

脊柱管(Spinal Canal)内に脊髄を保護します。脊髄は脳からの指令を全身に伝える神経束であり、損傷から守るために骨で囲まれています。

3. 運動性

背骨は柔軟であり、さまざまな方向に曲がったり、捻ったりすることができます。これにより、体を曲げたり、捻ったりする動作が可能になります。例えば、腰椎は前屈や後屈、側屈の動きを可能にします。

4. 衝撃吸収

椎間板(Intervertebral Discs)は椎骨の間にあり、クッションの役割を果たします。これにより、歩行や走行時の衝撃を吸収し、脊椎を保護します。椎間板は中心にある髄核(Nucleus Pulposus)と外周の線維輪(Annulus Fibrosus)から構成されています。

5. 身体のバランス保持

背骨のS字カーブは、立位や歩行時の体のバランスを保持するために重要です。例えば、頸椎と腰椎の前湾(Lordosis)と胸椎と仙椎の後湾(Kyphosis)が、バランスよく体を支えるように設計されています。

具体例
重い物を持ち上げる:背骨は脊髄を保護しながら、腰椎が重い物を持ち上げる際の主要な支持を提供します。
スポーツ活動:柔軟な背骨のおかげで、サッカー選手が素早く方向を変えたり、バスケットボール選手がジャンプしたりすることが可能です。

日常の動作:椎間板が衝撃を吸収することで、歩行や階段の上り下りがスムーズに行えます。
背骨の健康を保つことは、全体的な身体の機能を維持するために非常に重要です。日常生活で正しい姿勢を保ち、定期的な運動を行うことが推奨されます。

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背骨の機能障害

背骨の各機能が失われると、以下のような具体的な障害や問題が発生します。

1. 支持と構造の保持の喪失
障害例:椎体骨折、脊椎の変形(例:脊柱側弯症、脊柱前弯症)

椎体骨折:転倒や事故により椎骨が骨折すると、背骨が体の重さを支えきれなくなります。これにより、強い痛みや姿勢の変化が生じ、重度の場合は動作が制限されます。
脊柱側弯症:脊柱の異常な湾曲により、背骨が体を正しく支えることができなくなります。結果として、姿勢不良、腰痛、そして内臓機能の低下が発生する可能性があります。
2. 保護機能の喪失
障害例:脊髄損傷、椎間板ヘルニア

脊髄損傷:脊柱管が損傷を受けると、脊髄が保護されず、神経の損傷が起こる可能性があります。これにより、四肢麻痺、感覚喪失、排尿や排便機能の喪失などの深刻な障害が生じます。
椎間板ヘルニア:椎間板が破れ、髄核が飛び出して神経を圧迫すると、強い痛みやしびれ、筋力低下が生じる可能性があります。
3. 運動性の喪失
障害例:関節炎、強直性脊椎炎

関節炎:脊椎の関節に炎症が起こると、背骨の動きが制限され、痛みが伴います。これにより、前屈や後屈、側屈などの動作が困難になります。
強直性脊椎炎:慢性的な炎症が脊椎の関節に影響を与え、最終的に関節が固まってしまう病気です。これにより、背骨が硬直し、柔軟性を失います。
4. 衝撃吸収機能の喪失
障害例:椎間板の退行性変性、骨粗鬆症

椎間板の退行性変性:椎間板が劣化すると、衝撃吸収能力が低下し、椎骨同士の摩擦が増加します。これにより、背痛や脊椎の変形が進行することがあります。
骨粗鬆症:骨密度が低下することで椎骨が脆くなり、圧迫骨折のリスクが高まります。これにより、背骨の安定性が失われ、衝撃を効果的に吸収できなくなります。
5. 身体のバランス保持機能の喪失
障害例:脊柱側弯症、脊柱後弯症

脊柱側弯症:脊柱が横方向に曲がることで、体のバランスが崩れます。これにより、歩行が不安定になり、転倒のリスクが高まります。
脊柱後弯症:背骨が後方に曲がり過ぎることで、胸郭や腹部の圧迫が生じ、呼吸困難や消化器系の問題が発生することがあります。
背骨の機能が失われると、日常生活に大きな影響を与えるだけでなく、全身の健康にも深刻な問題が発生する可能性があります。正しい姿勢の維持、適切な運動、定期的な健康診断が、背骨の健康を保つために重要です。

リハビリ

リハビリ
背骨の機能が失われた際のリハビリテーションや理学療法は、障害の種類や重症度に応じて異なりますが、以下に一般的な手段や方法を記載します。

1. 支持と構造の保持の喪失に対するリハビリテーション
椎体骨折や脊柱の変形の場合

リハビリテーションの手段:

安静と固定:初期の治療として、安静にすることや、コルセットやブレースを使用して背骨を固定し、適切な位置に保持します。
体幹強化運動:腹筋や背筋を強化する運動を行い、体幹の安定性を高めます。例えば、プランクやブリッジ運動が有効です。
姿勢矯正:理学療法士の指導のもとで正しい姿勢を保つトレーニングを行います。
2. 保護機能の喪失に対するリハビリテーション
脊髄損傷や椎間板ヘルニアの場合

リハビリテーションの手段:

運動療法:筋力低下や麻痺の改善を目的とした運動療法。水中療法(アクアセラピー)は、体重を軽減しながら運動を行うのに適しています。
機能的電気刺激(FES):神経や筋肉の機能を回復させるために、電気刺激を用いる方法です。
歩行訓練:杖や歩行器を使用して歩行訓練を行い、バランス感覚を養います。
3. 運動性の喪失に対するリハビリテーション
関節炎や強直性脊椎炎の場合

リハビリテーションの手段:

関節可動域訓練:関節の柔軟性を維持するために、ストレッチングや関節可動域(ROM)訓練を行います。
低負荷運動:関節に負担をかけずに運動を行うために、サイクリングや水泳などの低負荷の運動を推奨します。
温熱療法:温熱パッドやホットパックを用いて筋肉の緊張を緩和し、痛みを軽減します。
4. 衝撃吸収機能の喪失に対するリハビリテーション
椎間板の退行性変性や骨粗鬆症の場合

リハビリテーションの手段:

骨強化運動:体重をかける運動(ウォーキングや軽い筋力トレーニング)が骨密度の維持に役立ちます。
姿勢矯正運動:骨粗鬆症による背骨の変形を防ぐために、背筋を強化する運動を行います。
栄養指導:カルシウムやビタミンDを十分に摂取するための食事指導を行います。
5. 身体のバランス保持機能の喪失に対するリハビリテーション
脊柱側弯症や脊柱後弯症の場合

リハビリテーションの手段:

バランス訓練:バランスボードや平衡感覚を鍛えるためのエクササイズを行います。
姿勢トレーニング:正しい姿勢を保つためのトレーニングを実施し、特に側弯症の場合はストレッチングと筋力トレーニングを組み合わせます。
装具の使用:必要に応じて、脊柱を支えるためのブレースやコルセットを使用します。
一般的な理学療法の方法
マニュアルセラピー:理学療法士が手技を用いて筋肉や関節の緊張をほぐし、柔軟性を改善します。
物理療法:超音波療法や電気刺激療法を用いて、痛みの緩和や筋肉のリラクゼーションを図ります。
運動療法:個々の症状やニーズに応じて、特定の運動プログラムを提供します。これは筋力、柔軟性、持久力を向上させるための運動が含まれます。
リハビリテーションや理学療法は、専門の理学療法士の指導の下で行われるべきです。個々の患者の状態に合わせたプログラムを作成し、定期的に評価と調整を行うことが重要です。

背骨の病気

整形外科で扱う背骨の問題は多岐にわたりますが、以下は一般的な背骨の病名とその理由を記載します。

1. 椎間板ヘルニア(Intervertebral Disc Herniation)
理由:椎間板が圧力を受けて外側に突出し、髄核が線維輪を破って神経根や脊髄を圧迫することで発生します。加齢や過剰な負荷が原因となることが多いです。

2. 脊柱側弯症(Scoliosis)
理由:背骨が左右に異常に湾曲する病気です。遺伝的要因、筋肉や神経の異常、先天性の異常などが原因となります。

3. 脊椎すべり症(Spondylolisthesis)
理由:一つの椎骨が下位の椎骨の前方に滑り出す状態です。加齢による椎間関節の変性、外傷、先天的な要因が原因となります。

4. 脊椎圧迫骨折(Vertebral Compression Fracture)
理由:外傷や骨粗鬆症により、椎骨が圧迫されて潰れる状態です。特に高齢者や骨密度が低下している人に多く見られます。

5. 強直性脊椎炎(Ankylosing Spondylitis)
理由:慢性的な炎症が脊椎の関節や靭帯に影響を与え、最終的に関節が硬直してしまう病気です。自己免疫反応が原因とされています。

6. 椎間板変性症(Degenerative Disc Disease)
理由:椎間板が加齢とともに変性し、弾力性や水分を失うことで発生します。これにより、椎骨間のクッション機能が低下します。

7. 脊椎狭窄症(Spinal Stenosis)
理由:脊柱管が狭くなり、脊髄や神経根が圧迫される状態です。加齢による骨や靭帯の変性、椎間板の膨隆が原因となることが多いです。

8. 脊髄腫瘍(Spinal Tumor)
理由:脊髄や脊柱内に発生する腫瘍です。良性のものから悪性のものまであり、腫瘍の成長による圧迫が神経症状を引き起こします。

9. 脊髄空洞症(Syringomyelia)
理由:脊髄内に液体が溜まり、空洞(シリンゲ)を形成する病気です。原因は多岐にわたり、先天性の異常、外傷、腫瘍などが挙げられます。

10. 椎間関節症(Facet Joint Syndrome)
理由:脊椎の椎間関節に変性や炎症が生じる病気です。加齢や過度な負荷が原因となります。

これらの病気は、背骨の構造や機能に影響を与えるため、適切な診断と治療が重要です。各疾患に対する治療法は異なり、保存的治療(薬物療法、理学療法)、外科的治療(手術)などが選択されます。

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トピック

トピック
脊柱側弯症(Scoliosis)
脊柱側弯症は、背骨が左右に異常に湾曲する病気で、特に思春期に発症することが多いです。この病気にはいくつかのタイプがあり、原因も多岐にわたります。以下に具体的な例を挙げながら説明します。

1. 特発性側弯症(Idiopathic Scoliosis)

最も一般的なタイプで、全体の約80%を占めます。原因は不明ですが、遺伝的要因が関与していると考えられています。特に10代の女子に多く見られます。

例:13歳の女子が学校の健康診断で背骨の異常を指摘されました。レントゲン検査の結果、脊柱側弯症と診断されました。家族にも同様の症状を持つ人がいるため、遺伝的要因が考えられます。
2. 先天性側弯症(Congenital Scoliosis)

生まれつき背骨に異常があり、側弯が発生します。椎骨の形成不全や融合不全が原因となります。

例:出生直後の乳児が体の左右に非対称な湾曲を持つことが確認されました。詳しい検査の結果、いくつかの椎骨が異常に形成されていることが判明し、先天性側弯症と診断されました。
3. 神経筋性側弯症(Neuromuscular Scoliosis)

筋肉や神経の障害により背骨が正常に支えられず、側弯が発生します。脳性麻痺、筋ジストロフィー、脊髄損傷などが原因となります。

例:脳性麻痺を持つ10歳の男児が徐々に背骨の湾曲が進行し、日常生活に支障をきたすようになりました。神経筋性側弯症と診断され、背骨を支えるための装具が処方されました。
4. 加齢性側弯症(Degenerative Scoliosis)

加齢に伴い椎間板や椎間関節が変性し、側弯が進行します。特に高齢者に多く見られます。

例:65歳の女性が腰痛とともに姿勢の変化を訴え、医師の診察を受けました。レントゲン検査の結果、椎間板の変性が見られ、加齢性側弯症と診断されました。

まとめ

トピック
背骨の病気に対する運動療法が効果的な理由は、以下のポイントに集約されます。

1. 筋力の強化
運動療法は背骨を支える筋肉、特に体幹の筋力を強化します。これにより、背骨の安定性が向上し、脊椎にかかる負荷が分散され、痛みや不快感が軽減されます。

例:体幹筋力強化運動(プランク、ブリッジ)は、腰椎の安定性を向上させ、腰痛の緩和に効果があります。
2. 柔軟性の向上
運動療法は関節や筋肉の柔軟性を向上させます。柔軟性の向上は、背骨の正常な可動域を保つのに役立ち、不良姿勢や動作制限を防ぎます。

例:ヨガやストレッチングは、脊椎の柔軟性を高め、全体の姿勢を改善する効果があります。
3. 血行の促進
適度な運動は血行を促進し、栄養や酸素を筋肉や椎間板に供給します。これにより、組織の回復が促進され、痛みの軽減や炎症の抑制に役立ちます。

例:ウォーキングや軽い有酸素運動は、血行を改善し、全身の健康をサポートします。
4. 痛みの管理
運動はエンドルフィンの分泌を促進し、自然な鎮痛効果をもたらします。これにより、薬物に頼らずに痛みを管理することができます。

例:軽度のエクササイズ(ストレッチや体操)は、慢性腰痛の痛み管理に効果的です。
5. 姿勢の改善
運動療法は、正しい姿勢を維持するための筋力と柔軟性を提供します。正しい姿勢は、背骨にかかる不必要なストレスを軽減し、病気の進行を防ぎます。

例:ピラティスは、体幹の強化と姿勢改善に役立ちます。
6. 心身の健康
運動は精神的な健康にも寄与し、ストレスや不安を軽減します。心理的な安定は、背骨の病気の管理においても重要な役割を果たします。

例:定期的な運動は、ストレスホルモンのレベルを下げ、全体的な健康を向上させます。
具体的な運動療法の実施例
水中運動:水中でのエクササイズは、重力の影響を軽減し、関節や背骨に優しい環境で運動を行うことができます。これは、椎間板ヘルニアや脊柱狭窄症の患者に特に有効です。
物理療法:理学療法士によるマニュアルセラピーやエクササイズプログラムは、個々の症状や状態に合わせた運動を提供します。これにより、効果的に症状を管理し、改善を図ります。
結論
運動療法は、背骨の病気に対する多角的なアプローチを提供し、筋力の強化、柔軟性の向上、血行促進、痛みの管理、姿勢改善、精神的健康の維持に寄与します。これらの効果が総合的に働くことで、背骨の健康を維持し、症状の緩和と病気の進行を防ぐことが可能になります。