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集中が続かない、リラックスできない時の改善法

集中が続かない、リラックスできない時の改善法
集中が続かない、リラックスできない時の改善法

集中とリラックス、現代社会においては、欠かせないキーワードのようにも感じます。福岡の大濠や天神も人のにぎわいがまし、せわしい雰囲気が出ています。こんな時は、注意散漫になり集中できていない事も増えるのでは無いでしょうか❔

スポーツにおいては、このような集中力が続かない事が、大きく勝敗やゲームの流れに関与してきます。今では、お馴染みの言葉となったゾーンという心理状態、これは、交感神経と副交感神経が天秤のようにバランスを取り合っている心理状態が好ましく、ベストパフォーマンスを発揮できる状態だと言われています。

しかし、このような状態になるには、試合の時だけ、練習の時だけ、その状態を作り出すのは困難だと感じます。日頃から、集中とリラックスに重きをおいて、生活する事で、自然とそのような状態を発揮できるようになるのでは無いでしょうか❔

メンタルトレーニングを行うだけではなく、食生活や睡眠そのような、当たり前に行っている生活習慣からアプローチをしてみるのも大切だと思います。今回は、食事の面からアプローチをかけて行きましょう。

集中力を高める食事

集中力を高める食事
練習中や試合中、どうしても集中力が長続きしない⋯。こんな悩みを抱いている人の中には、集中力が続かないのを自分に根性ががないからだと思い込んでいる人もいるかもしれません。しかし、集中力の維持には血糖値が関係しているのです。

空腹時にイライラして集中力がなくなった経験は誰にでもあるでしょう。空腹かどうかを判断するのは脳です。脳の重さは体重の2%程度なのに、あらゆる判断をするために非常に多くのエネルギーを消費しています。

そして血糖値が下がると脳の視床下部の「摂食・満腹中枢」に作用し、「空腹だ」と判断するのです。血糖値とは血液中のブドウ糖の量を示す値です。ブドウ糖は血管を通って脳、筋肉、臓器などに到達し、組織を動かすエネルギー源として働いています。

そのため、ブドウ糖が不足するとあらゆる組織の機能に支障をきたすことになります。血中のブドウ糖量の調節は、ふたつのホルモンによってなされています。食後、血糖値が上昇するとインシュリンというホルモンの働きによって、ブドウ糖を細胞の中に取り込んで血糖値を下げようとします。

逆に空腹時、血液中のブドウ糖が減って血糖値が下がると、グルカゴンというホルモンが血液中のブドウ糖を増やそうと作
用するので、ブドウ糖の量が安定し、ひいては血糖値を一定に保つよう調節されているのです。

頭のスタミナ力をつける

体はまだ十分元気なのに、アタマがボーッとしていて集中できない、といったような経験はありませんか。もちろん、この状態が続けばだんだん体もだるくなってくるのでしょうが、これは脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖の
脳への供給不足が一因です。

対処法としては、運動中に集中力がきれそうになったり、思考力が低下した場合は、すぐに吸収の早い糖質(ブドウ糖や果糖など)を補給することです。

血糖値レベルを安定させる食事

血糖値レベルを安定させる食事
◉エネルギーバランスを考慮する
エネルギー源となる栄養素のバランスに配慮しましょう。炭水化物60%、たんばく質15%、脂質25%をだいたいの目安にします。

◉主食はデンプンを中心に
主食は多糖類(デンプン)をメインにしましょう。※デンプン⋯殺類、いも類、豆類。

◉まとめ食いをしない
欠食せず、1日3食プラス必要に応じて間食を入れるなどして、バランスよく食べましょう。

◉朝食は抜かない
寝ている間もエネルギーは消費されています。朝食抜きでは肝臓や筋肉に蓄えられるエネルギー源であるグリコーゲンのレベルが低下してしまいます。グリコーゲンはブドウ糖からつくられるため、朝食には糖質を摂りましょう。糖質は消化吸収されるとブドウ糖になって血液中に取りこまれます。

リラックスと熟睡する為の食事

リラックスと熟睡する為の食事
以前記載したBLOGの「疲労回復、食欲不振、改善するための栄養素」にも記載をしていますが、気持ちがリラックスをしていれば食欲もわいてきます。食事で空腹が満たされれば、イライラやストレス解消にもつながります。食生活は栄養面
だけでなく、メンタル面にも大切な役割を果たしているのです。

食事をしたあと、誰もが「満足感」を味わいたいものです。空腹感が満たされないと肉体ばかりでなく、精神的にも不安定になります。食事の満足感には食べる量・質だけでなく、食べる環境も大切です。

栄養バランスを考慮した完璧な食事も、つまらない、寂しい、悲しい環境で食べては消化吸収によくありません。できれば会話を楽しみながら、ゆっくり食べましょう。

リラックスできる環境は個人個人で異なります。食事で満足感を得るためにも自分で演出を心掛けて、食事時間を楽しむことです。

※疲労回復、食欲不振、改善するための栄養素の記事はこちらから。

熟睡する為のアイデア

睡眠不足がいかに体力を落とすかについて、様々な情報がネット上でも多く記載されていますが、疲れがとれるかとれないかは、「睡眠=熟睡」に大きく関わっています。できるだけ熟睡できる環境を整えましょう。たとえば、寝る前にぬるめのお湯に長時間入る、ストレッチなどで体をリラックスさせるなどです。

《眠れないときにおすすめの飲み物》
ホットミルク、牛乳にはトリプトファンというアミノ酸が含まれています。それからつくられているセロトニンという物質は脳の中枢を刺激して眠りを誘います。牛乳に豊富なカルシウムにも、精神安定の働きがあります。また就寝後に分泌される成長ホルモンに合わせて、筋肉づくりに欠かせないたんぱく質もタイムリーに摂取できるので、二重の働きが期待できます。

◉ココア
カカオ豆に含まれているテオブロミンは神経らげてくれます。牛乳に溶かしてホットココアにすれば、カルシウムもとれます。ただし、摂り過ぎるとカロリーオーバーにつがるので注意が必要です。

◉寝る前に摂らないほうがよい飲み物
コーヒーやお茶類、神経を興奮させるカフェインが含まれているので、特に寝付きの悪い人や寝不足が続いている人にはおすすめできません。

食事を楽しむための工夫

◉食事に20〜30分かける
満腹感は血糖値に関係しています。食べ物が体に入って消化吸収されると、血液中にブドウ糖が増えて、血糖とインシュリン濃度が上がります。すると満腹中枢が刺激されて満腹感を感じるのですが、それには食事を始めてから20〜30分の時間が必要です。

それ以前に必要量を食べ終わってしまうと、当然のことながら満足感はなく、食べ過ぎてしまう原因にもなります。せめてリラックス気分で30分程度の食事にとりたいものです。そのためにも気の合う人と会話し、時間がたつのを忘れ楽しい食事にしましょう。

◉よく噛んで食べる
よく噛んで食べることで食事時間はゆったりとしたものになります。早食いの人は噛む回数が極めて少にあります。また、よく噛むと唾液の分泌がよくなり、消化吸収を助けます。


◉1食に何種類かの味を揃える
食事は目からも楽しむものです。彩りのよい料理は食欲を刺激します。味付けも同じようなものばかりでは、たとえ好きなものでもだんだん食がすすまなくなってしまいます。甘味、酸味、苦味、塩味、うまみなど、いろいろな味覚の料理をそろえて楽しみましょう。

◉音楽などを聴きながら食べる
音楽には食欲増進の効果があります。ただし意図的に音楽を聴くということは、交感神経を使うため、かえって胃腸の働きを抑えてしまいます。テレビを観ながら、仕事をしながら、新聞を読みながらの「ながら食事」もリラックスする食環境としては、おすすめできません。

◉いろいろな料理に親しむ
同じ素材を使っても、食べ慣れているかどうかでは、消化吸収率が違うといわれています。たとえば牛乳をしばらく飲まないと、腸の乳糖分解酵素が少なくなり、久しぶりに飲んだときにおなかがゴロゴロすることもありえます。

また、冷たい牛乳は飲めるが温めると嫌いといった場合、飲む際にストレスが生じ、吸収率の低下を招きます。いろいろな料理や食品に親しんでおけば、バラエティーの富んだ食事を楽しめますし、栄養素をバランスよくとることにもつながります。

◉アルコールも適量なら食のすすめになる
リラックスするためなら、食事時のアルコールもおすすめですが、飲み過ぎはよくありません。ビールなら中ビン1本、日本酒なら1合、ウイスキーの水割りなら2杯くらいが適量です。

まとめ

まとめ
このように、食事や睡眠が、集中とリラックスに深く関わっている事はご理解いただけたのではないでしょうか❔スポーツ選手や一般アスリートにとって、自身のメンタルをコントロールして行く事は、選手として競技を続けて行く以上は、切っても離せない大きなテーマの一つと言えるでしょう。

しかしながら、メンタルトレーニングを受けるにしても、時間もお金もかかるため、全員がそれらに取り組む事が出来ないのが現状だと思います。そのような中で、前書き部分でもお伝えをしましたが、自身の生活の中で、出来ることをまずは挑戦してみる事は、競技のパフォーマンスに大きく影響を及ぼす一歩だと考えられます。

逆に、どんなに画期的なメンタルトレーニングを受けたとしても、そのほかの私生活がコントロールできていなければ結果はいうまでもないと思います。ですから、1度、自身の生活を見直し、出来ることからコツコツとおこなって見ましょう。

ポイントとしては、課題を高く持たないことです。課題は、なるべく低く設定し達成感を味わえるように計画を立てて行きましょう。きっと、パフォーマンスも向上し、体質改善までできると思います。