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子供の発育と発達

子供の発育と発達
子供の発育と発達

福岡天神は、台風です。流石に近くの大濠公園でランニングされている方も少なかったです。でも、こんな時に、何もしないのではなく、出来ることからコツコツとご自宅でのトレーニングをして行きましょう。そうする事で、これからのトレーニングの質が向上するかもしれません。

普段なかなか出来ない事をしっかりやる時間も充実度が上がります。例えば、ストレッチを普段は15分程度な方も、60分する事にチャレンジしてみると、ストレッチの重要性を実感できるかもしれません。お掃除をしなが自分流のエクササイズを考案してみるのも悪くないかもしれませんね。

そして、知識を増やす時間に使う事も大切だと思います。お子さんのいらっしゃる方は、雨の室内にいる子供達の過ごし方に悩まれる方もすくなくないはず。そんな時に、自分のエクササイズに加えて、子供とも一緒に動くと、自分も子供もストレスの発散ができて良い事づくしです。まずは、子供の身体の事を知る事から初めて見ましょう。

スキャモンの発育・発達曲線の考え

スキャモンの発育・発達曲線の考え
赤ちゃんが生まれてすぐに始まる成長。

◉ スキャモンの発育・発達曲線って?
赤ちゃんが大人になるまでの間、体のいろんな部分が成長していきます。脳や臓器、体重や身長などあらゆる成長をしていく中で、それぞれに成長のピークがあるのをご存知でしょうか?

脳や体の成長に合わせた刺激を与えれば、子供の能力がどんどん高まっていくとされています。スキャモンの発育・発達曲線とは一体どのような考え方なのでしょうか?

子供が成長していく中、器官や機能はそれぞれ個々に発達していく時期があるとされており、一つの事柄においても吸収しやすい時期としにくい時期があるとされています。その時期を曲線で示したものを「スキャモンの発達・発育曲線」と言います。

子供は、心と身体が大きく変化する年齢でもあります。私たち大人は忘れてしまいがちですが、子どもは少しずつ成長を重ねているのです。

子どもによって個人差はあるものの、確実に毎日どこかが変化しています。昨日の子どもたちは今日の子どもたちと「同じ」ではないのです。

子どもの成長タイミングに合わせて適切なアドバイスや指導を提供することがトレーニングコーチに求められていますが、ご家庭でも、子どもの身体と心の成長についての理解を深め、状況を把握することで、適切な接し方ができるようになるのではないでしょうか。

子供は、目に見える成長と目に見えない成長があると思います。「成長」というと、身体の成長に目が行きがちです。発育段階にある子どもは、生まれて年月で1年近い差があり、体格差が非常に大きい時期もあります。

同学年のなかに入るととても小柄で、スポーツをしている子では、同学年の子ができる事が出来ない場合もあります。
しかし、子どもの成長は身体的な成長だけを指して言うのではありません。

身体の成長があれば心の成長もあります。身体の中でも筋力が発達するタイミング、スポーツでいう技術に関係する神経系が発達するタイミングと、身体が成長するタイミング、心が成長するタイミングがあり、それぞれ成長するタイミングが違います。

ですから、スキャモンの発育・発達曲線を学ぶ事で、適切なタイミングで大切な刺激を入れる事ができるため、安全で効率の良いアプローチが可能になるのです。

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スキャモンの発育・発達曲線とは

スキャモンの発育曲線の4つの型・種類について

◉神経系型
神経系型は、脳や脊髄、視覚器、頭径を示し、リズム感や体を動かすことに対する器用さを担っています。出産直後から急激に発達していき、4~5歳で成人の約80%にまで達するとされています。

◉リンパ系型
リンパ系型は、免疫力を向上する扁桃やリンパ節といったリンパ組織の発達を示します。生後から12~13歳頃までに急激に発達し、成人レベルを超越します。しかし思春期が過ぎると徐々に大人のレベルにまで戻るとされています。

◉一般型
一般型は身長や体重の他、呼吸器や消火器、肝臓などの胸腹部臓器の発育を示しています。
幼児期までに急速に発達し、その後は緩やかになり、思春期に再び急激に発達していきます。思春期以降にはさらに発育にラストスパートがかかり、20歳の頃には大人のレベルに達して完了します。

◉生殖器系型
生殖器系型は、男児の陰茎や睾丸、女児の卵巣や子宮などの発育を示します。小学校生活の前半の頃までは緩やかに成長していきますが、14歳頃から急激に発達していきます。同時に男性ホルモンや女性ホルモンの分泌も増加していくでしょう。

スキャモンの発育発達曲線は、運動神経を司る神経系は、生まれてから12歳頃までに、急激に成長していることがわかります。

この時期は、動きを頭で理解させ体に伝えるのではなく、見たまま感じたままのイメージに従って体全体で技術を吸収していく特別な時期で、この時期をゴールデンエイジと呼びます。

一生に一度の機会なので全身運動をこの年にしっかりと行い、素晴らしい発育発達をしていくことが大切になります。

ゴールデンエイジ

ゴールデンエイジ
◉プレゴールデンエイジ(3〜8歳)
運動能力の基礎ができあがる時期。神経系が急速に発育していきます。そのため、器用さ、リズム感、バランス感覚などの習得ができます。多種多様な動きを体験することが大切です。

◉ゴールデンエイジ(9〜12歳)
運動の技術を即座に習得できる時期。スポーツにおいての複雑、高度な技術もすぐに覚えることができる大変貴重な時期です。神経系の発育がほぼ完了します。筋力、体力トレーニングでなく、テクニックを身に着けるのに最適です。

◉ポストゴールデンエイジ(13〜16歳)
この時期には、一般型の発育が盛んになってきます。身長が急に伸びたり、体格が男性、女性らしくなっていきます。
この時期は身体的成長の時期なので、筋力や体力を伸ばすのに適しています。

このように時期によって入れる刺激が変わります。逆に考えると、そうではない時期に、違う刺激。例えば、幼少期から筋トレをしすぎるなどは、危険度があることはいうまでもありません。適切な時期に適切な刺激を入れて行きましょう。

海外と日本

最近では、海外で活躍するスポーツ選手が増えてきましたね。文部科学省でも、身体能力の低下が平成初期には問題視されておりましたが、近年、少しずつ向上してきています。

昔は、海、山、川、木登りなど、たくさんの刺激を身体に入れる場所うがありましたが、最近では、近くの公園でもボール遊び禁止、野球禁止などの看板が目立ちます。その緊急事態にはやくに気づいた地域社会や、団体、または、習い事など、食事なども含めて取り組んだ環境が、海外でも戦える選手を作っていると思います。

これは、逆に言えば、スポーツの身体能力の格差をうんでいることにもなるかもしれません。
周りの大人が気が付き改善していく事も大切だと思います。

◉海外との差を考える
海外では、子供の時期は、フィジカルとメンタルに重点をおきます。その為、小学校くらいの世界大会では、オリンピック強豪国は、あまり勝てません。なぜなら、身体作りにメインを置いている為、一人の子供が、シーズン毎にスポーツを変えたりしているので、基本的な技術(スキル)が足りていないのです。

一方で、日本は、小さな時からスキルを磨く指導が多かったのです。ですから、小学校では世界大会優勝が出来ても、フジかるが物をいう年代の中学、高校ではなかなか勝てませんでした。
しかし、この辺りが改善してきた事で、世界に通用する選手が増えたと感がるのも1つだと思います。

コーディネーショントレーニング

コーディネーショントレーニング
コーディネーショントレーニングとは、神経系に視点を置いたトレーニング方法で、『動きやすい身体をつくる』『自分の身体を思い通りに動かせるようになる』ことを目的とします。

これらは、様々なスポーツの『型』や『フォーム』を短時間で習得することを可能にします。
元々、旧東ドイツにおいてトップアスリート育成の為に研究・開発されたトレーニング方法です。「運動神経とは何か」が研究の発端だったと言われています。

コーディネーショントレーニングは世界中の研究者により研究が続けられており、その能力は様々に分類されています。

◉7つをコーデイネーション能力

【リズム能力】
 イメージを正確に表現する能力
【連結能力】
身体の2カ所以上、又は同時に2つ以上の動作を正確に行う能力
【変換能力】
状況に応じて動作の切り替えを行える能力
【反応能力】
合図などに素早く正確に対処する能力
【分化能力】
道具などを最適な力で操作する能力
【バランス能力】
崩れた姿勢でも動作を続けることが出来る能力
【定位能力】
相手や物との距離感を正確につかめる能力

7つの能力を総合的に向上させることが、様々なスポーツの『型』や『フォーム』を無理なく短時間に身に付けることを可能にします。「出来ないことを無理なく出来るようにする」これがコーディネーショントレーニングの最大の魅力です。

これに沿うようなトレーニングを、スキャモンの成長曲線に合わせて行う事でパフォーマンスをあげることができます。

効果

コーディネーショントレーニングは、運動能力の開発以外にもさまざまな効果が報告されています。

・動きの習得速度が速くなる
コーディ―ネーショントレーニングでは、さまざまな動きを組み合わせて行うことで、動きの神経回路をたくさん発生させます。ですから、スポーツで必要ないろいろな身体の使い方や動き方をマスターするスピードが速くなります。

・ステレオタイプ化の予防
コーディネーショントレーニングでは、同じ動き反復するのではなくて、変化を持たせながら反復しますので、自然と応用力が身につくようになり、新しい発想がどんどんできるようになります。

・情動面の改善と開発
コーディネーショントレーニングをした時とよく似た運動でコーディネーション能力を要しない単純運動を交互に繰り返し行ったところ、コーディネーショントレーニングは単純運動に比較して中枢神経である前頭連合野をはじめ、小脳など脳の働きをより活性化させるというデータが得られました。

これは、コーディネーショントレーニングが情動面の改善、開発につながることを示唆しています。

まとめ

まとめ
このうように、子供の成長や発達は、お腹にいる時からずっと毎日続いています。約、10ヶ月もお腹の中にいる赤ちゃんは、その間ずっと発達しています。生まれて来てからでの話ではないのです。

ですから、かつて私達がそうだったように、成長する子供達を応援しつつ、大人は背中で語っていきましょう。
自分たちが運動を行うことで、それを見ている子供達は、必ず大人になっても運動をします。

それが、その家庭の文化になり、ずっと元気な家系が出来上がります。自分の運動は大切な方の為なのです。
正確な知識と効率の良い運動で健康をみんなで手にして行きましょう。