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タンパク質を消化する

タンパク質を消化する
タンパク質を消化する

福岡天神は、今日も快晴です。寒暖差も少しずつ出て来ていますが、まだまだ暖かい陽気。とはいっても2022年もあと5週間となりました。仕事も納めに入り、年内に終わらせておきたい仕事に加え、早めの忘年会など、睡眠時間も短くなってしまっている方も多いはず。

それに加えて、連日の2022FIFAワールドカップの熱戦も加わり、知らない間に疲労が溜まっているかもしれません。こんな時は、体調の管理をいつも以上に意識して、気をつけて置くことが大切になります。トレーニーの方も、睡眠が少なくなると筋肉も発達しにくくなるので要注意です。

あとは、やはり栄養がとっても大切になります。筋肉をつけたい人は、タンパク質を多めに取る方が多いですが、摂取をしても吸収がスムーズに行われないと筋肉の増量は難しいです。今回は、筋肉に必要な栄養素、タンパク質と吸収に焦点を当てて記載して行きたいと思います。

タンパク質は体をつくるのに重要な栄養素

タンパク質は体をつくるのに重要な栄養素
食事で摂取したタンパク質の中にはさまざまな栄養素が含まれ、必要な形に分解・吸収されて体の一部となります。

食事で摂ったタンパク質はどのように分解されていくのでしょうか?

ポイント
タンパク質は分解されるとどのようになるのか
タンパク質の効率よい摂り方
タンパク質の摂りすぎはいけないのか

タンパク質は糖質・脂質とならび、三大栄養素といわれる栄養素のうちの1つです。
人間の体を構成する成分の中で約60%は水分でできていますが、タンパク質は約16%と水分の次に多く占めています。

・タンパク質の種類
タンパク質は多数のアミノ酸が結合してできています。
体を構成する約10万種類ものアミノ酸のうち、20種類のアミノ酸が配列することでタンパク質を構成しています。
20種類のうち、9種類は必須アミノ酸とよばれ、体内でつくることができないため食事から摂る必要があります。

食事として摂るタンパク質には肉や魚などの動物性タンパク質と大豆などの植物性タンパク質とにわけられます。
動物性タンパク質には必須アミノ酸がほとんど含まれ、脂質も多く含まれています。
植物性タンパク質には必須アミノ酸が不足しているものもあります。
しかし、体によい栄養素が含まれているため、動物性とバランスよく摂ることをお勧めします。

・タンパク質の役割
タンパク質は筋肉や内臓のほか、皮膚や骨・髪の毛などの成分となります。
体を調整するホルモンや酵素、免疫物質などの材料にもなっており、体をつくるのに重要な栄養素です。
また、タンパク質の一部はエネルギーとしても消費されます。

タンパク質は日々、合成と分解を繰り返しています。
食事で摂ったタンパク質を利用して体の一部に合成していきます。

そして、分解することで、いらなくなった物質を体外に排出させています。
爪や髪の毛が伸びるのはタンパク質が合成と分解を繰り返しているからです。
筋肉や臓器も合成と分解を繰り返しています。合成と分解を繰り返して体内のタンパク質を一定量にたもっています。

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タンパク質が分解されるとどうなるのか?

タンパク質が分解される過程について

・タンパク質が吸収されるには?
タンパク質が分解されるとペプチドやアミノ酸という物質になります。
ペプチドとはアミノ酸が2〜20個結合した状態のものです。
タンパク質は50個以上のアミノ酸が結合した状態のものをいいます。

食事で摂ったタンパク質はそのままでは吸収できません。
アミノ酸にまで分解されることで吸収できるようになります。
ただし、アミノ酸が2つ繋がったジペプチドや3つ繋がったトリペプチドはアミノ酸と一緒に吸収できます。

・タンパク質分解酵素の働き
食べたものは消化器官を通っていく間に、各器官から分泌される消化酵素の働きによって分解されます。
タンパク質がペプチドやアミノ酸に分解されるときも、いくつかの消化酵素が関わっています。
タンパク質はアミノ酸が立体的に繋がった構造をしています。

食事から摂ったタンパク質は以下のように分解・吸収されて体をつくります
胃液の消化酵素であるペプシンによって立体から鎖状のポリペプチドとよばれる状態になる

十二指腸で膵臓からの消化酵素によってアミノ酸やジペプチド、トリペプチドの状態まで分解
小腸上皮で吸収され、いったん肝臓に運ばれる血液の流れにのって肝臓から各組織に運ばれていく

DNAの情報にしたがい、筋肉や皮膚、爪などのタンパク質に組み替えられ体をつくる
また、古くなったタンパク質は分解され血液にのって肝臓に運ばれます。
75〜80%は新しいアミノ酸として再利用されます。

タンパク質分解酵素とは

タンパク質分解酵素とは
タンパク質分解酵素とは、その名の通り、タンパク質を分解するための酵素です。
消化酵素の1種で、プロテアーゼとも呼ばれています。
タンパク質は人体機能を維持するために欠かせない栄養素です。

しかし、サイズが大きすぎるため、そのままの形では体内に吸収されません。
体内に吸収されるには、タンパク質を小さくする必要があります。
タンパク質を小さくするために必要なのが、タンパク質分解酵素です。

ちなみにタンパク質とは、アミノ酸が複数個結合した栄養素です。
タンパク質分解酵素はタンパク質をアミノ酸レベルにまで分解することで、体内に吸収されやすくします。

・タンパク質分解酵素一覧
タンパク質分解酵素には複数の種類があります。代表的な種類をご紹介します。
トリプシン
プラスミン
トロンビン
パパイン
ペプシン
コラゲナーゼ

・タンパク質分解酵素は、種類によって働く場所・性質が異なります。
たとえばペプシンは胃で働く酵素です。
ペプシンはタンパク質を大まかに分解します。
分解されたタンパク質はその後、血流に乗って腸・膵臓などに移動します。
膵臓ではトリプシンが中心となって、タンパク質をさらに細かく分解します。

・タンパク質分解酵素を多く含む食品
タンパク質分解酵素は食品に含まれます。
代表的な食品をご紹介します。タンパク質分解酵素は熱に弱いという性質があります。

そのため以下のような食品からタンパク質分解酵素を摂取するときは、できれば生食がおすすめです。
果物
タンパク質分解酵素が豊富な果物には以下があります。
パイナップル
グリーンキウイ
いちじく
パパイヤ
野菜
タンパク質分解酵素が豊富な野菜には以下があります。
マイタケ
こうじ
ショウガ
たまねぎ
納豆

タンパク質を分解できたとしても吸収されなければ、、、

タンパク質を分解できたとしても吸収されなければ、体の各組織をつくりあげることはできません。
タンパク質を効率よく吸収するには以下のポイントが重要です。

1日の摂取量
タンパク質を摂取する時間、高タンパク質の食材、それぞれ説明します。

1日のタンパク質摂取量
実際にタンパク質はどのくらい摂ればよいのでしょうか。
推奨量は以下になります。(推奨量:g/日)
年齢   男性 女性
15〜17歳 65 55
18〜29歳 65 50
30〜49歳65 50
50〜64歳65 50
65歳以上 60 50

1日の摂取量は男性と女性では異なります。
年齢別にみると高齢になってもタンパク質の必要量は変わりません。
タンパク質が不足すると筋力の低下に繋がります。

また、免疫物質やホルモンの材料にもなるので、風邪を引きやすくなるなど体調面にも影響を及ぼします。
タンパク質は何歳になっても必要な栄養素です。高齢になっても意識して摂るように意識しましょう。

タンパク質の摂取タイミング

タンパク質の摂取タイミング
タンパク質を摂る時間としては朝食をおすすめします。

理由はタンパク質の多い食材に含まれるトリプトファンというアミノ酸に、体内時計を調整したりストレスを軽減したりする働きがあるからです。

トリプトファンを朝に摂る習慣をつけることで目覚めがよく良質な睡眠への手助けになります。
また、朝食にタンパク質を多く摂った方が、夕食にタンパク質を多く摂るよりも筋肉量が増加しやすいという研究結果もあります。

朝食は簡単にすませることが多く、タンパク質が不足しがちです。意識して摂るようにしましょう。

・筋肉量維持のためには夕食時に摂ることもおすすめします。
理由は筋肉の成長を助ける成長ホルモンが夜間も分泌されるからです。とくに、日中に運動した日は傷ついた筋肉を修復するためにも、夕食時にタンパク質を摂るようにしてください。

ただし、消化器の負担がかからないように寝る3時間前には摂るようにしましょう。
オススメ高タンパク質レシピ
手軽につくれるタンパク質を多く含むメニューを紹介します。
朝食ではツナや卵、納豆など手軽にタンパク質を摂取できる食品を追加することが無理なく継続する工夫です。

【カツオのたたき】
材料   目安量 タンパク質量
カツオ 100g 25.8g
にんにく 5g   0.18g
しょうが 5g   0.02g
ねぎ   5g   0.21g

【ツナとカニカマのトースト】
材料     目安量 タンパク質量
食パン  5枚切り1枚(72g) 約5.6g
ツナ 1/2缶 (30g) 4.8g
カニカマ 1本(15g) 1.8g
スライスチーズ 1枚(18g) 4.1g

ヘルシーだからといって植物性タンパク質ばかりだと、他の栄養素が摂れず貧血などの症状を起こす可能性があります。
偏った食事にならずにバランスよく摂ることが重要です。

あまったタンパク質は体内に溜めておくことは、、、、

あまったタンパク質はアミノ酸に分解しても体内に溜めておくことはできません。
血液中の不要なアミノ酸は有毒なアンモニアとなってしまいます。

しかし、肝臓ですぐに無毒化され尿素となります。尿素は腎臓の働きで尿となり体外へ排出されます。
そのため、タンパク質を過剰に摂ると肝臓や腎臓に負担をかけます。

加齢やストレス、病気などによって肝臓や腎臓の機能が低下していると、有毒なアンモニアが体の中に溜まります。
アンモニアは体臭として現れるだけでなく、吐き気や嘔吐、場合によっては意識障害を引き起こす可能性があります。

また、摂り過ぎた動物性たんぱく質はそのまま腸に送られ、悪玉菌のエサになってしまいます。
腸内環境の乱れにつながるため、注意が必要です。

女性に嬉しいタンパク質効果とは❔

タンパク質は筋肉や臓器などの体を構成する細胞の主成分です。
人の体の約20%はタンパク質で構成されており、人の体におけるタンパク質の占める割合は非常に高いことがわかります。
筋肉や臓器以外にも肌や爪、髪の毛といった人の体のあらゆる部位がタンパク質でできています。

タンパク質は体にどのような影響を与えているのか、詳しく解説していきます。

・スキントラブルを抑えることができる
タンパク質を意識的に摂取することで、いつまでも健康で若々しい姿を保つ効果が期待できます。
特に美容を意識されている方は積極的にタンパク質を摂取しましょう。

なぜなら肌のハリや弾力を保つコラーゲンもタンパク質の一種だからです。
タンパク質が不足するとコラーゲンも不足し、シワやたるみ・肌荒れなどスキントラブルの原因となります。
顔の筋肉がたるむことで表面の皮膚がたるむ原因にもなります。

コラーゲンが肌に弾力を与えるためには、コラーゲンだけを単独で摂取するより、タンパク質をバランスよく摂取する意識をもつことをお勧めします。

・髪の毛・爪の状態が良くなる
髪の毛や爪はケラチンというタンパク質でできています。
タンパク質が不足することで、髪の毛のツヤやハリがなくなったり枝毛や切れ毛の原因にもなります。
髪の毛1本1本も細くなり薄毛の原因にもなります。

タンパク質をしっかり摂取することでフサフサでツヤ・ハリのある髪の毛を保つ効果が期待できます。
爪においてもタンパク質が不足することで爪に縦すじがはいったり、爪割れや爪が薄くなってしまう原因になります。
ネイルをするときも健康な爪であった方が見栄えが良いでしょう。

タンパク質は生きていく上で必要な部位から使われていくので、肌や髪の毛・爪は後回しにされます。
そのためタンパク質不足の影響は肌や髪の毛・爪にでやすいです。
トラブルがでてきたときにはタンパク質不足のサインかもしれないと考え、普段の食生活を見直してみてください。

・その他の働き
タンパク質は体の機能を調整する酵素やホルモン、免疫抗体などの材料としても不可欠です。
特に体の外から侵入してきたウイルスや細菌などの異物を排除する働きである抗体は免疫グロブリンといい、タンパク質からつくられています。

他にも全身に酸素を運ぶヘモグロビンや鉄分を貯蔵しておくフェリチンなどもタンパク質の一種です。
またタンパク質の構成要素であるアミノ酸には疲労回復や成長促進など、それぞれの働き・効果があります。

例えばリジンは成長を促し、組織の修復に関わっていますし、イソロイシンは神経の働きを助けたり、筋肉を強化したりするのに関わっています。

タンパク質不足になると筋力も低下し体力・代謝も低下します。
代謝が低下すると血液の流れも悪くなり免疫細胞や他の物質の運搬にも影響が出て、免疫の低下や疲労が蓄積しやすくなったりします。
健康を維持するためにもタンパク質はとても重要な栄養素ですので意識して摂取するようにしましょう。

まとめ

まとめ
このように、タンパク質の役割は多岐に渡ります。
美容や健康を考えた時に、なくてはならない物ではありますが、タンパク質だけではどうにもならないのです。

タンパク質を摂取した後に、消化され、吸収される。それがまた、体の中をめぐり、細胞として定着するサイクルをしっかりと取れるようにすることが大切なのです。

そのためには、運動と休養と栄養のバランスが大切です。なんでもそうだと思いますが、基本に勝るものはなく、それをいかに、楽しみながら、習慣化して、コツコツ頑張っていけるのかが鍵になると思います。

人生に挑戦できる心と身体へ。皆さんで向かって行きましょう。