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膝痛について

膝痛について
膝痛について

福岡天神、大濠公園近くの福岡城跡地では、桜祭りが開催されています。連日、すごい人が集まり、この3年の静けさが嘘のようです。その横にある大濠公園では、旅行客の姿もチラホラ見えるようになりました。大変桜が綺麗な場所なので、ウェディングのフォトを取りにきている姿も見受けられます。

さて、暖かくなってきて活動的になっている昨今、気をつけて行きたいのが、関節の痛みです。コロナにより活動量が落ちていた方や、いきなりランニングなどを始めてしまうと、腰や膝、足首などの傷害にも繋がりやすくなってしまいます。できる限り計画的に運動を行う事と、ちょっと物足りないなーと感じるくらいにして、回数を増やすことをお勧めします。

アスリートであれば、強度というところを求める場面も増えて行きますが、ご自分で運動不足だなと感じる方は、強度よりも頻度、そして、なぜそれを行うのかを考えて取り組まれると運動を継続できると思います。今回は、代表的な関節の痛みの1つでもある、膝の痛みについて記載をして行きます。知識をアップデートして運動に取り入れて行きましょう。

人の身体の原理原則

人の身体の原理原則
人体の関節には、”スタビリティ(安定性)”と”モビリティ(可動性)”という役割があります。
つまり、スタビリティ(安定性は関節を安定させること、モビリティ(可動性)は可動させること関節を動かす役割のことを言います。
これが、しっかりできていると、代償動作無く動作がスムーズに行えるようになるわけです。

人間の体は関節構造によって、
関節毎にスタビリティ(安定性)と”モビリティ(可動性)の優位性、どのように動かすのかが異なっており、その役目を各関節が全うすることが傷害の予防になっています。
そのルールから逸脱してしまっている時に、代償動作が起こりやすくなり、関節や筋肉や靭帯に、負荷をかけてしまい慢性的な痛みが生じることは数多くあるとされています。

例えば、ゴルフ、野球、バレーボール、陸上とスポーツは様々で、色々な動きが行われて、色々な技術や身体の使い方がありますが
どんな人であっても、関節の数も、筋肉の数も、得意的な何かがない限りは基本的な数や動きは一緒です。

WBC で活躍した大谷選手も、ダルビッシュ選手も、どんなにすごいスーパーアスリートも骨の数や関節の動く方向は基本一緒なのです。
関節の構造は何度までしか動かせない、この関節は何度まで動くべき、、これ以上無理やり動かすと近隣の関節が代償動作というしわ寄せを生み出す、結果的に関節や筋肉にストレスをかけるなど、機能解剖学や運動力学に基づいたルールが存在します。

例えば、腰椎骨盤帯は、「安定性」が重要な関節です。
腰痛のある方は、腰椎骨盤帯の「スタビリティ(安定性)」が機能不全である可能性があります。
または、胸椎や股関節の「モビリティ(可動性)」が機能不全になっていることで、腰椎に迷惑がかかっている可能性もあります。

スタビリティやモビリティが正しく機能しているかどうかは、専門家に評価してもらうと良いかと思います。

痛みやコリを解消するには、自身の体を正しく理解することが1番の近道になります。

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膝痛

慢性的な膝痛を抱えている人は、下記の機能に問題を抱えている可能性があります。

①股関節のモビリティとスタビリティ

②足関節のモビリティ

③膝のスタビリティ

膝痛の原因が、膝にはないことはとても多くあります。なぜならば、股関節のモビリティが機能不全になると、膝に負担がかかるので膝痛になりやすくなるのです。

膝痛を解消するために、股関節の適切なモビリティを取り戻す事が重要です。

もし、骨に問題がある場合は下記の事が考えられます。
50代以上でひざの内側の痛みが強いようなら、変形性膝関節症の可能性が高いかもしれません。
変形性膝関節症とは、軟骨のすり減りによって関節内に炎症が生じるひざの代表的な疾患です。
初期症状に、動き始めの痛みや、階段の上り下りがしづらいなどの症状があります。
放置すると、骨の損傷や関節が変形し、動かす度に激痛を伴うようになります。
50代以上の日本人のうち2400万人に発症していることが分かっています。

また、日本人は、ひざの内側に痛みが生じる内側型の変形性膝関節症を発症することが多く、その割合は9割とされています

こんな方は、整形外科でレントゲンを撮ってもらいましょう。
・歩きはじめや立ちあがるときにひざが痛む
・正座やあぐらがつらい
・階段の上り下りがつらい
・ひざの曲げ伸ばしが困難
・ひざに水がたまり、腫れている

上記のようなケースでないのかをまずは確かめる事です。自分の体を知る事で対応がうまく行きケースがほとんどです。

鵞足炎

鵞足炎の原因
鵞足炎の原因は、ひざの曲げ伸ばしやひねる動作で、鵞足部と腱や骨が擦れることにより発症します。したがって、そういった動作の多いランニング等のやりすぎがきっかけになることが多いです。また変形性膝関節症の合併症として最も多い疾患だそうです。

鵞足炎の症状
鵞足炎では、次のような症状があるそうです。

・ひざの曲げ伸ばしで内側(の少し下)が痛む
・ひざに腫れや熱感が見られる
・すでに変形性膝関節症と診断されている

初期に痛みが増すのは、押した時や運動時(歩く、走る、階段を下るといった動作時)などです。屈伸時に引っかかるような違和感もあります。重症化すると何もしていなくても疼くような痛みを感じることがあり、腫れ、熱感を伴うこともありとの事です。

鵞足炎の対応
主な原因はオーバーユース(使いすぎ)なので、まずは患部をアイシングし安静に保ちます。ランナーの方であれば、しばらくランニングは休止し、ハムストリングス(腿の裏側の筋肉)や内転筋のストレッチをされることをお勧めします。これらに加えて、必要に応じて薬物療法(抗炎症薬)や理学療法が必要かを医師に相談しましょう。

内側側副靭帯損傷

内側側副靭帯損傷
内側を押すと痛い【内側側副靭帯損傷】

内側側副靭帯損傷とは
ひざの内側に位置する内側側副靭帯は、急な方向転換などを行なった際、ひざが内側に動き過ぎないよう、大腿骨(だいたいこつ:太ももの骨)と脛骨(けいこつ:すねの骨)をつなぎ、支えている組織です。

「ひざのねんざ」と言われるほど、ひざのケガとしては発生頻度の高いです。ひざを内側に曲げて切り返す動作の多いサッカーやアメフト、ラグビーといったスポーツで起こりやすく、負荷の蓄積や接触など、強い衝撃が加わることでダメージを負いやすくなります。

・ひざの内側を押すと痛い
・ひざに腫れや熱感が見られる
・ひざの不安定さを感じる

このような方は注意が必要です。

半月板損傷

水がたまることもある【半月板損傷】

半月板損傷 大腿骨と脛骨の間に存在する半月板は、膝関節への衝撃を和らげたり、安定させる役割を果たしています。

半月板はひざの外側と内側にそれぞれ1枚ずつ存在しますが、内側の半月板を損傷している場合、ひざの内側に痛みが出ます。
原因は、スポーツや事故などで膝に強い衝撃が加わったことによる損傷の他、加齢による負担の蓄積や変形などもあげられます。

そのため、変形性膝関節症や内側側副靭帯損傷など、他の疾患に合併して起こることも少なくありません。


・ひざを曲げ伸ばししたときのひっかかり
・ひざの裏側が痛いこともある
・ひざに水がたまる
・ひざのロッキング現象
このような方は注意が必要です。

タナ障害

ひざから音が鳴る【タナ障害】

ひざのタナ障害 滑膜(かつまく)ヒダと言われる膜に覆われている膝関節。

その膜のうち、膝蓋骨(しつがいこつ:膝のお皿)と大腿骨の内側の間にある膜が棚状であることから、「タナ」と例えられています。これは、胎児のときに一時的につくられ、大きくなるにつれてなくなっていくものですが、半数ほどの人は「タナ」を持ったまま生まれてきます。

そのこと自体は問題ではありませんが、この「タナ」が炎症を起こすとタナ障害となって、ひざの内側に痛みが生じます。
原因はオーバーユース。つまり、使いすぎです。スポーツなどでひざの曲げ伸ばしを過剰に行うと、タナが骨とこすれたり関節に挟まったりすることがあり、それによって炎症が起こるのです。

「タナ」の形状は細いものや厚みのあるものなど様々ですが、特に厚みがあり太い(幅が広い)タナに多くみられる傾向があります。

・ひざの内側にひっかかり感がある
・屈折するときに「パキッ」「コリッ」など膝から音がする
・ひざを曲げると内側が痛い

このような方は注意が必要です。

疲労骨折

疲労骨折
鵞足炎と間違えることもある【疲労骨折】

疲労骨折とは、一度で骨折に至るような強い衝撃ではなく、小さな負担が蓄積されて骨にひびが入ったり、それが進行して骨折することをいいます。

スポーツでのオーバーユースや、筋肉の硬さによる負担の蓄積が原因で起こりやすくなります。


・運動したときに痛みを感じる
・動いていないときは痛くないことが多い
・腫れることもある
このような方は注意が必要です。

O脚

ひざの内側が痛みやすい身体的特徴

ひざの疾患とは別に、身体的特徴などの根本的な原因が影響している可能性もあります。身体のクセや状態がひざの内側に負担をかけ、それによって痛みが生じていることも多いのです。

O脚

O脚(太ももや膝が左右でくっつかない状態) 内側のくるぶしを合わせて立ったときに、太ももや膝が左右でくっつかない状態をO脚と呼んでいます。
O脚は、股関節、膝関節、足関節の配列の乱れから負担が蓄積して起こる症状です。その負担の蓄積だけでも機能障害が起こることはありますが、この状態でスポーツなどをすることで負担は倍増。ひざの内側に痛みが生じる、何かしらの疾患が起こりやすくなります。

筋力

筋力不足

ひざに筋肉なんてあるの?とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、ひざの痛みには筋力が大きく影響しています。

膝関節は、歩行や階段の上り下りなど日常の動作で重要な役割を担っていますが、その膝関節を支えているのが、周辺の筋肉です。そのため、筋力が低下している場合、膝にかかる負荷は大きく、痛みを引き起こしやすくなります。

筋力不足が原因である場合は、適度な運動や筋力トレーニングで筋力をつけるとよいでしょう。


筋肉が硬い

筋力不足もそうですが、筋肉が硬いことも原因のひとつにあげられます。

筋肉が硬いということは、筋肉の収縮が続いているということ。そのため、筋肉と骨をつなぐ腱への負担が大きくなり、オーバーユースを起こしやすいと考えられます。

また、この筋肉の硬直によって通常よりも骨は引っ張られた状態になることから、O脚を引き起こすことにもつながるのです。

まとめ

まとめ
膝痛がある場合でも、適切な運動を行うことで膝関節の強化や痛みの軽減が期待できます。

ただし、膝痛の原因によっては、運動を行うことが適切ではない場合がありますので、まずは専門医の診断を受けることが重要です。

膝痛が軽度であれば、低負荷の運動を行うことが推奨されます。
ウォーキングや自転車、スイミングなどの有酸素運動や、ストレッチや筋力トレーニングなどの軽度な運動が効果的です。
また、膝を保護するために、クッション性の良い運動用シューズや膝サポーターの着用も考慮されます。

一方、重度の膝痛がある場合は、安静として膝関節に負担をかけないようにすることが必要です。

まずは、適切な治療を受け、症状が改善された後に、徐々に運動を再開することが推奨されます。

今、膝痛で悩まれている方は、まずは医師に相談し、リハビリを行い、出来ればその後も予防の観点から運動を継続して行きましょう。

人生に挑戦できるような心と身体であるために。