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更年期障害・男性・女性

更年期障害・男性・女性
更年期障害・男性・女性

福岡天神は本日は雨模様となっています。各地で 地震が起き、いつ何が起こるか分からない状況となっています。気候の変動も激しく、温暖化や、 水不足など、環境の変化も様々となっています。ですが、健康であり続ける事は、どんな環境になったとしても生きていく上で必要なことです。

ですから、体の対応力を上げるためにも、自分の体について詳しく知って、おいたり、事前に予防するような運動、食事、休養等の取り方をマスターするなどは、心地よい人生を送るためにも必要なことではないでしょうか?

表題にもあります。更年期は、男性女性 が通らなければならない道となっています。更年期障害後の体のケアなども含めて、本日は記載をしていきたいと思いますので、皆さんで知識をアップデートしてより良いコンディショニングを整えていきましょう。

更年期とは❔

更年期とは❔
おおよそ45~55歳ごろの時期を更年期とよびます。
従来は更年期といえば女性の話しでしたが、最近では男性の更年期も話題になっています。
 
この年齢になると、体内の性ホルモンが減少することにより身体に変化が生じます。女性ではエストロゲンという女性ホルモン、男性ではテストステロンという男性ホルモンの減少がみられます。

更年期障害とは、これらのホルモンバランスの変化によって引き起こされる不快症状が重く、生活に支障をきたしている状態です。
また、ホルモンバランスの他に、本人の心理や周囲の環境も更年期障害に係わっています。
すべての人が更年期障害に悩まされるわけではありませんが、身体の変化を実感する年代でもあります。

男性の更年期障害の特徴

男性の更年期障害

●特 徴  
男性には、女性の閉経のようなはっきりとした節目はありません。男性ホルモンが徐々に減少するために更年期障害の症状が現われるのですが、男性の場合、必ずしも性ホルモンの減少が伴うわけではありません。体力の低下や周囲の環境など、他の要因も大きく影響しています。  女性の更年期障害は症状が急に現われるのに対し、男性では徐々に現われるのも特徴です。

●症 状
憂うつ・イライラ・不眠といった精神症状が現われやすい傾向があります。他に、疲労感・ほてり・発汗・しびれなどがあげられます。また、女性にはそれほどみられない、性機能の低下を伴う場合も多くあります。

●間違えやすい病気
前立腺肥大症・糖尿病・うつ病などの症状は、更年期障害の症状とよく似ています。更年期障害を診断する前に、これらの病気が隠れていないかを調べなければなりません。

●治 療
男性ホルモン(テストステロン)の減少がみられる場合は、ホルモン補充療法が有効です。2~3週間に1回、注射による補充が一般的です。  また、場合によっては抗うつ薬や勃起障害治療薬、漢方薬なども用いられます。  

この時期に気をつけたいこと
大切なのは、更年期をマイナスイメージでとらえないことです。これから迎える老後に向けて、ゆっくりと準備をするよい機会と考えてください。今後の病気予防を考え、今から健康づくりを始めれば、年をとっても元気でいられるのではないでしょうか。

また、自分の身体の変化を知るのはもちろんですが、パートナーの身体についても関心をもってください。更年期のつらい症状も、パートナーの支えがあれば乗り越えやすくなるのです。相手の話をよく聞くことで、より深く理解し、共感することができます。

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女性の更年期障害

女性の更年期障害
女性の更年期障害
●特 徴  
更年期障害の症状は、閉経の前後5年くらいの間に現われます。閉経の前には卵巣の機能が少しずつ低下し、卵巣から分泌されるエストロゲンという女性ホルモンが徐々に減っていきます。そして閉経するとエストロゲンの分泌はなくなります。 女性の更年期障害では、左のような症状が急に現われてきます。

●症 状
ほてり・のぼせ・手足の冷え・発汗・頭痛・めまい・不眠・しびれ・どうき・肩こり・腰痛・疲労感・憂うつ・イライラなど。多彩な症状がみられますが、とくにほてり・のぼせ・発汗はエストロゲンの欠乏と深い関係があり、更年期障害の診断材料になります。

●間違えやすい病気
子宮がん・甲状腺疾患・糖尿病・うつ病など、更年期障害の症状とよく似た症状がでる病気があります。ですから検査をして、それらの病気がないことを確かめる必要があります。

●治 療
エストロゲンが欠乏しているために症状がでている場合は、ホルモン補充療法が効果を発揮します。ホルモン剤を服用すると、2~3週間で更年期障害の症状が軽減します。 症状が軽い場合などには、漢方薬を用いた治療もしばしば行なわれます。

この時期に気をつけたいこと
女性ホルモンには、骨粗しょう症を防いだり、コレステロール値を下げる作用があります。また男性ホルモンは、糖尿病・肥満・動脈硬化・がんの防止に関与しています。

ですから、これらの性ホルモンが減少する更年期以降は、これまで以上に健康づくりに取り組んでいく必要があります。食事は腹八分目にして肥満を防止し、自分のペースで楽しくできる運動を続けましょう。ストレスをためないために、打ち込める趣味やスポーツをみつけてみてください。お酒の飲みすぎや喫煙も控えましょう。

若年性更年期障害

若年性更年期障害という疾患名はないそうです。

更年期の情報は、新聞、雑誌等のメディア、インターネットなどでもかなり得られるようになりました。その一方で、一部に更年期や女性ホルモンについて誤った認識が生まれているという側面があります。その代表的な例が、この「若年性更年期障害」や「プチ更年期」といったことばです。

「吹き出すような大汗や首から上のほてりがあり、めまいやだるさなどの変調も感じる」「イライラして仕事や子育てに支障が出ている」「手足が冷えて眠れない」「月経周期や月経量が乱れがち」などは、確かに更年期に起こる症状とよく似ています。しかしこれらが若い世代に起きる場合、ほとんどは更年期症状とは別物だそうです。

更年期障害・症状とは「閉経」に伴ってさまざまな症状が起こる概念です。閉経とは卵巣の機能がなくなり月経が永久に停止することで、女性は、個人差はありますがだいたい50歳前後に閉経を迎えます。永久に、というのは「不可逆的な現象」であるという閉経の特徴であり、閉経後は卵巣機能が元の状態に戻ることはないということです。

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「ひょっとして更年期障害かな?」と思ったら

「ひょっとして更年期障害かな?」と思ったら
「ひょっとして更年期障害かな?」と思ったら

●専門外来を受診する2つのタイプ
小樽病院の「性機能専門外来」を受診する患者さんは、大きく2つのタイプに分かれます。
1つは、性欲の低下や勃起障害などの症状があり、自分で外来予約をして受診するタイプ。もう1つは、不定愁訴が多いというかかりつけ医からの紹介で受診するタイプです。

●専門外来がない場合はどこに相談すべき?
インターネットなどを通じて自分の症状が男性の更年期障害(LOH症候群)らしいということは分かっても、どこで相談すればよいか困っている患者さんもいると思われます。小樽病院のように性機能専門外来が近くにない場合、どこで受診するとよいでしょうか?

男性の更年期障害(LOH症候群)の診療は、主として泌尿器科で行なわれることが多いです。それ以外では内科や心療内科、精神科、整形外科などでも診療しているところはあるようです。性機能に関連した症状が中心の場合は泌尿器科、身体症状が中心であれば内科、精神症状が中心であれば心療内科や精神科を受診するとよいでしょう。

●セルフチェックシート「AMSスコア」
男性の更年期障害(LOH症候群)かどうかを調べるためのセルフチェックシートとして、「Aging Male’s Symptoms score(AMSスコア)」があります。性機能に関連する質問が5項目、身体機能関連が7項目、心理関連が5項目の計17項目からなります。

何でも「更年期」と考えずライフスタイルの見直しを

何でも「更年期」と考えずライフスタイルの見直しを

こんな考え方もあります。

「若年性更年期」という言い方は適切ではなく、女性の不調を何でも更年期にあてはめてしまう風潮は危険ですらあると考えています。特に、その症状の一部には治療すべき病気が隠れている場合もあります。症状だけをみて「更年期症状」というレッテル貼りをすることはそれらの病気の発見と適切な治療の妨げとなり、女性本人にとってマイナスであるばかりでなく、正しい更年期医療の普及を妨げることにもなると考えます。

20代や30代で月経が乱れさまざまな症状が出ていたら、「今の生活では心身にストレスがかかっている」というサインと考え、生活習慣や人間関係などを見直してみてください。特に過度な運動や食事制限(ダイエット)で体重(体脂肪)が減り、無月経になっているなら放置せず、婦人科を受診してください。

無月経とは、これまであった月経が妊娠していないのに3ヵ月以上ない状態を言います。半年以上の無月経は骨量にも影響を与えることがわかっており、食事などを見直すだけでなくホルモン療法が必要な場合もあります。

エストロゲンとプロゲステロン
「プレメノポーズ」とは更年期前期のこと

なお、「若年性更年期障害」や「プチ更年期」と似て非なるものに「プレメノポーズ」という定義もあります。これは40歳前半から更年期に差し掛かる時期をさすもので、閉経に向かって卵巣機能が低下しはじめ、エストロゲン減少が起こり始めるために、心身の症状を少しずつ感じ始める不安定な時期を指します。
40代前半の時期に生活を見直すと同時に正しい更年期の知識を持つことはその後のQOLを高めるためにも重要と考えられます。

これは閉経ですか?
40歳未満での閉経(早発閉経)について
ここまでは、20-30代で起こる不定愁訴は閉経に伴って起きているのではないため更年期障害・症状ではないということをお話してきました。それとは別に、40歳未満で卵巣機能が停止し、閉経に至る場合があります。これを早発閉経といいます。

原因は 自己免疫疾患や遺伝子異常などさまざまなことが考えられ、はっきりしない場合もあります。40歳未満で子宮頸がんや体がん、卵巣がんなどの手術により子宮・卵巣を摘出した方にもあてはまります。

40歳未満の早すぎる閉経は、エストロゲンの減少から骨がもろくなり、若くして骨粗しょう症になりやすくなったり、血管の柔軟性が失われ動脈硬化が起きやすくなることがわかっています。

その後の人生をより健康に過ごすために、少なくとも平均的な閉経年齢である50歳前後までは、HRT(ホルモン補充療法)でエストロゲンを補充するべきであるということが、婦人科専門医により積極的にすすめられています。

更年期と運動

更年期の運動の効果

更年期では、性ホルモンの急激な減少による様々な身体的・精神的な変化や症状が現れ、生活習慣病を発症するリスクも高くなります。更年期は男性にも女性にも起こる加齢にともなう身体の変化のひとつとして捉え、更年期へと入る前から、栄養バランスの整った食事と運動習慣で生活習慣を整え、更年期で起こる変化に備えておくことが大切です。

更年期女性に対する運動の効果を報告した国内外の研究では、閉経前の女性のランニング程度の運動が骨密度を維持向上させること、日頃、座位中心の生活スタイルの女性がレジスタンス運動を行うと筋力の向上、血中脂質、骨機能への効果があること、更年期についての知識を得たうえで運動を行うと、しびれや感覚異常、イライラ感に効果があることなどが報告されています。

運動を行うことで爽快感や達成感を味わうことができ、ストレスの発散やリラックス効果を得られ、睡眠リズムを整える作用もあります。
有酸素運動であるウォーキングは体力・持久力の向上や骨密度の改善を促し、レジスタンス運動は筋力の維持向上などの効果が得られます。

体力・持久力の向上や骨密度の改善を促す有酸素運動のウォーキングを行っている高齢女性のイラスト。更年期へと入る前から、栄養バランスの整った食事と運動習慣で生活習慣を整え、更年期で起こる変化に備えておくことの大切さを表す。

運動を継続することで身体的・精神的な良い変化がみられるということを知ること、また、実際に運動を行って自らの良い変化を実感することは、積極的に運動を続けることにもつながり、更年期を前向きにとらえることができるようにもなります。

更年期にみられる変化を知り、更年期前から運動習慣を持って健康的な身体づくりを意識すること、更年期は生涯に起こる一次的な変化と前向きにとらえて、将来的な健康を目指して運動を楽しみながら継続することが重要といえるでしょう。

更年期の運動は何をしたらよいか

健康づくりのための身体活動基準2013では、18~64歳の身体活動(生活活動・運動)の基準として、「強度が3メッツ以上の身体活動を23メッツ・時/週行う。具体的には、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を毎日60分行う。」とされています。

歩行は3.0メッツであり、同等の生活活動には、犬の散歩をする、自転車に乗る、そうじをするなどがあります。
18~64歳の運動量の基準としては、「強度が3メッツ以上の運動を4メッツ・時/週行う。具体的には、息が弾み汗をかく程度の運動を毎週60分行う。」とあります。

日常生活の中で体を動かすために仲間と一緒に高齢女性が体操をしているイラスト。
3メッツ以上の運動には、ボウリング、社交ダンス、自分の体重を重りとする軽い筋力トレーニング、ゴルフ、ラジオ体操第一、卓球、ウォーキングなどがあります。

上記の身体活動、運動を達成することができることが理想ですが、運動の習慣の全くない方が、いきなり運動の目標を達成することは難しいため、まずは、日常生活の中でプラス10分多く身体を動かすことを心がけることを健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)で呼びかけています。

具体的には、歩く時に歩幅を大きくとって速歩きする、買い物や通勤、子どもや孫の送迎の際には歩行や自転車で移動する、仲間と一緒に体操やスポーツを行う、散歩や外出など外へ出て歩く機会をつくる、テレビを見ながら筋力トレーニングやストレッチを行うなどがおすすめです

まとめ

まとめ
1. ホルモンバランスの改善

更年期において、エストロゲンやプロゲステロンの減少が体調不良や不快感の原因となります。運動はホルモンバランスを改善し、特にエストロゲンの分泌を促進することで更年期症状の軽減に寄与します。

2. 骨密度の維持

更年期には骨密度の減少が見られ、これが骨折のリスクを増加させます。定期的な運動は骨密度を維持し、特に重い負荷を伴う運動や重量挙げは骨の強化に寄与し、骨粗しょう症の予防に有効です。

3. 体重管理と代謝の向上

更年期において代謝が低下し、体重管理が難しくなります。運動は代謝を促進し、有酸素運動による脂肪燃焼は体重のコントロールに寄与します。

4. 睡眠の質の向上

不眠症や睡眠の質の低下は更年期症状の一部です。運動はストレスの軽減とリラックス効果をもたらし、規則的な運動は睡眠サイクルの安定化に寄与します。

5. 精神的な健康への影響

更年期は精神的な不調やイライラ感を引き起こすことがあります。運動はエンドルフィンの放出を促し、心身のリラックスをもたらし、精神的な健康の向上に寄与します。

結論

定期的な運動は更年期障害の症状の緩和に多くの利益をもたらすことが示唆されています。ホルモンバランスの改善、骨密度の維持、体重管理の支援、睡眠の質の向上、そして精神的な健康へのプラスの影響が期待され、総合的な健康増進に寄与します。