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ランニング後のケア

ランニング後のケア
ランニング後のケア

福岡天神は、2022年11月13日、福岡マラソンが開催されました。Definiのお客様も数名参加されているため、スタート地点へ応援に行かせていただきましたが、コロナ予防の規制により区分けがされており、検温や体調管理をしっかりしてきたランナーと、応援席はしっかりゲートで分けられていました。

あそこまで、しっかり区間分けするのは大変だったと思います。ボランティアから関係者の方の努力によりイベントが開催されているのが良くわかりました。ということで、いつもだったら近くまで行って応援できますが、難しかったため実際にお会いできたのは1名でした。でも、皆様が怪我なく完走されるのを願っております。

さて、ランニングを長距離すれば、必ず心身共に疲労が蓄積されます。ですから、その後のケアが大変重要になります。ランニング終了直後から次の練習が始まっていると考えても良いと思います。今回は、ランニンング後のケアについて記載していきます。

怪我をしない秘訣

怪我をしない秘訣
常にベストパフォーマンスを維持することは、プロのランナーでも困難です。しかし、少しでも良い状態を保つため、専属のコンディショニングトレーナーをつけたり、あるいは定期的に治療院へ通ったりしています。では、市民ランナーの場合はどうでしょうか❔

走り終わったらシャワーで汗を流し、そのままビールで乾杯。そんなランナーも、少なくないはずです。もちろんこれが楽しみで頑張っている方もいるのでそれは素晴らしいと思います。

しかし、ゆったりとしたペースのジョギングでも、身体には負担が掛かっています。もちろんトレーニング強度によって負担は変わりますが、小さな負担でも、蓄積していくことで怪我などのトラブルに繋がりかねません。これは、もちろんレースでも同様です。

どうせ走るのならば、毎日快適なランニングを続けたいもの。せっかくトレーニングを頑張ったのに、レース直前で怪我なんて事態になれば、やる気を失ってしまうかもしれません。

ですからセルフマネージメントの重要性が出てくるのです。自分の体と向き合いながら、心と体をリセットして行く観点を持つと長くランニングを楽しむ事ができると思います。

筋肉をほぐす

ストレッチで筋肉をほぐす

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運動後はしっかりストレッチ
運動で固くなった筋肉は、ストレッチでほぐしましょう。特にハムストリングスやアキレス腱、股関節、内転筋、あるいは前腿など、ランニングで使いやすい部位を重点にします。ゆっくりと呼吸しながらストレッチすれば、リラックス効果も期待できるでしょう。仲間と走った際には、お互いに補助しながらストレッチするのもお勧めです。例えば膝を伸ばした長座の状態で背中を押してもらい、上体を倒します。自分の力で行うより、しっかりと筋肉を伸ばすことができるはずです。


また、自宅にある物を利用するのもおすすめです。例えば、ほとんどのご家庭にあるイス。膝を伸ばして、イスの背もたれに片足を掛けましょう。もう片方の足で立ったまま、身体をイスの方へ倒します。あるいはイスの座る部分に片足を乗せて、アキレス腱を伸ばすといった方法もあります。身体を倒さず、イスを傾けて筋肉を伸ばすことも可能です。

トレーニング後のストレッチは、静的なストレッチを意識して行っていきます。気になる場所や、普段から走っていると、いつもはる筋肉を感じているはずです。そこをしっかりと記録しておくことも良いと思います。

その筋肉に対してアプローチすることを意識していきましょう。また、静的なストレッチは、自立神経も整えてくれます。トレーニングやランニングで、交感神経が優位に働いているところを、ストレッチをすることで、副交感神経が優位に働き、自律神経を優位に働かせてくれます。

痛んだ筋肉の回復の方法

痛んだ筋肉の回復の方法
アイシングで傷んだ筋肉の回復を促進

怪我などの応急処置として知られるアイシングですが、普段のトレーニング後も取り入れることをおすすめします。運動を行うと、筋肉はその負担によって損傷を起こします。筋肉の損傷によるダメージとして、筋肉痛などを体験したことのある方は多いでしょう。

アイシングは冷却によって血管を収縮させ、損傷箇所の血流を抑えてくれます。これが損傷拡大の防止に繋がり、さらには回復の促進効果が期待できると言われています。アイシングは難しい作業ではなく、次のように身近な方法で実践可能です。

氷嚢
水(もしくは氷水)を入れたバケツ
冷たいシャワー
保冷剤
水風呂


氷嚢は100円均一でも販売されており、保冷剤は買い物などで良くもらう機会があるはずです。そうしたアイテムが無くても、汗を流す際にシャワー等で冷却するだけで効果が期待できるでしょう。また、後にご紹介する温浴と合わせると、温度変化によって高い効果があるといわれます。ただし冷却時間については、注意が必要です。特に氷などを当てる場合、あまり長時間に及ぶと凍傷の危険性があります。15~20分を目安に、やり過ぎには注意してください。

また、疲労回復の考え方についての記事は下記に詳しくのっていますので一読されてみてください。

治療器具の導入

家庭用の治療用具を活用

マッサージチェアや低周波治療器など、家庭用の治療用具を活用するのも良いでしょう。最近ではカバンに入れて持ち運べるような、小型の低周波治療器も販売されています。マッサージチェアは価格や置き場所がネックとなりますが、例えばスポーツジムに通っている方は、ジム内に会員用のマッサージチェアが設置されていることも少なくありません。またチェア型ではなく、クッション型など小型である程度安価なマッサージ用具も増えています。

毎日ランニングを楽しむ、あるいはパフォーマンス向上を目指すうえで、身体のケアは非常に大切です。怪我などトラブルに遭って後悔する前に、自宅ケアで予防に取り組んでみてください。

疲労感が強い時は炭水化物もしっかり摂る

疲労感が強い時は炭水化物もしっかり摂る
摂取する食品の内容は大事です。疲労感が強いときは、多少体重増が気になっても、炭水化物を摂りましょう。ハチミツなどもいいですね。体調に微妙に影響するビタミン類も大事。特にB、C、E類。汗を大量にかくので、ミネラルも大事。鉄分、カルシウム、亜鉛、カリウムなどなど。

ビタミンやミネラル類も、微量であっても必須な栄養素なので、さまざまな成分が雑多に摂れるように、さまざまな種類の食品を摂ることが大事です。精製されたサプリメントにだけ頼ると、不足する栄養分が生じるおそれがあります。しかし、食品からでは摂りきれない栄養素もあるので、それらについてだけサプリメントで補給するというスタンスでいきましょう。

消化力を高めるためにお腹を冷やさない

いくら栄養が含まれている食事でも、体が吸収しなければ意味がないので、消化力を高めましょう。食欲をそそり、消化機能を刺激するショウガやニンニク、香辛料などを利用しましょう。消化力を維持する上での基本は、お腹を冷やさないこと。気・血・水の循環を維持するには、体を冷やさないことが大事です。

慢性化したり、やや重症の時は、お腹を温めると共に、胃腸薬を活用することも考慮します。漢方薬では香砂六君子湯(コウサリックンシトウ)や生脈散(麦味参)がいいでしょう。腹がだぷだぷしているようなら利水(余分な水分を瀉する)効果がある料理や漢方薬を使います。食品では、冬瓜、苦瓜、西瓜などの瓜類に利水効果があります。

マッサージ、指圧で全身の巡りをよくする

中医学には経絡という考え方があります。全身に系統立って張り巡り、気が流れる通り道と説明されますが、神経経路でもあり健康情報伝達経路ではないと考えています。この経絡にのっとった療法は確かな効果を確認できます。指圧や灸、鍼などはみな経絡という考え方にのっとているものです。

経絡のターミナル的な役割を果たすポイントが、体のあちこちにあるツボ(経穴)です。また、内臓の不調がそれぞれと関係したツボに現れるとされます。このツボの指圧、灸、鍼によって体調を変化させる方法もあります。

ランニングによる疲労

鉄分不足の貧血による疲労

最も多いのが「鉄分」不足。鉄分が少ないと、赤血球を作るヘモグロビンができません。すると、酸素を運搬する赤血球が少なかったり小さかったりして、酸素の運搬量が低下してしまうというわけです。血中の酸素を筋肉に取り込むミオグロビンも鉄分を必要とします。

偏食によって鉄分の摂取が少ないという理由以外に、幾つかの鉄分が不足する原因があります。一つは生理や出血による血液の減少があります。もう一つランナーにとって重視しなければならないのは、着地時のショックによる赤血球の破壊です。ランニング時の着地の衝撃は歩行時の3倍といわれますが、この衝撃で赤血球が破壊されるとされます。

競技選手は、さらに鉄分の補給を心がける必要があります。さらに、女性は生理による出血により、鉄分を男性より多く失うので、鉄分の補給には積極的であってほしいと思います。

鉄分の必要量は、厚労省が発表した日本人の食事摂取基準によると、1日の推奨目安量が、成人男性7.5mg、女性6.5mg(月経がある場合は10.5mg)となっていますが、競技者はこれでは足りないでしょう。上限量は40~50mgと設定されているので、この上限量を目標値に考えて丁度良いのではないでしょうか。

野菜類で鉄分が圧倒的に多いゴマ。食卓において、何にでもゴマをふりかけるぐらいによく食べよう
野菜類で鉄分が圧倒的に多いゴマ。食卓において、何にでもゴマをふりかけるぐらいによく食べよう

鉄分はレバーやゴマ、ヒジキ、海苔、ホウレンソウ、プルーンなどに多く含まれています。豚レバーの場合、100gあたり13mg含まれています。それなら、毎日豚レバーを50~100gぐらい食べていれば良さそうなものですが、鉄分は非常に吸収が悪い栄養成分です。小腸からの吸収率は10%程度です。ということは、最低でも豚レバー換算で1kgほど食べなければならないことになります。これは現実的に困難でしょう。


こうした食事から補いきれない栄養成分については、サプリメントを利用しましょう。鉄タブレットや貧血を補う漢方薬(当帰や阿膠など)があります。中医学では、貧血の治療方法として、補血や養血という治療の考えによって、対処養生法を指導しますが、これはアスリートの貧血予防・治療にも援用できます。鉄分の吸収を促進するには、ビタミンCを一緒に摂るとよいとされます。ちなみに、タンニンは吸収を妨げますから、鉄分を摂るときには、お茶は飲まないようにします。

まとめ

まとめ
福岡マラソン怪我なく終えられたでしょうか❔このブログを記載しているときは、おそらく多くのランナーがゴール付近一番きつい30キロあたりを走行しているときだと思います。

少しでもお力になれればと思い記載しました。

マラソン大会が終了したら、ケアも忘れずに頑張ってみてください。
人生に挑戦できる心と身体へ。