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子供のビタミンとストレス

子供のビタミンとストレス
子供のビタミンとストレス

梅雨が明けたら、もうすぐ夏ですね。今の内からコンディショニングを整えて、暑くなる前に、予防を行って行きましょう。今朝のニュースでは、韓国のアイドルグループBTSが、アメリカのバイデン大統領と、アジア人の人権や差別について、面会を行ったと報道がありました。

コロナにより、情勢が厳しくなりストレスを溜め込んでいる大人が多いようにも感じます。しかしながら、圧倒的に、人生経験の少ない子供達が、大人の言われるがままに、感染対策をしたり、大好きなスポーツを我慢したりと一生懸命頑張っている姿をみると、ストレスを抱えている子供をもっとケアしないといけないなと思います。

受験やスポーツなど、日々の生活の中で、気が付かないうちに、ストレスを感じているのが子供達です。これをサポートできるのは大人です。大人達は、自分自身のケアと、子供達のケアを学び努力する勤めがあるようにも感じます。そこで、今回は、栄養から見たストレス解消に役立つ豆知識を記載して行きます。

ストレスがかかると分泌される「アドレナリン」「コルチゾール」

◉ストレスとは
ストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことです。外部からの刺激には、天候や騒音などの環境的要因、病気や睡眠不足などの身体的要因、不安や悩みなど心理的な要因、そして人間関係がうまくいかない、仕事が忙しいなどの社会的要因があります。子どもであれば勉強やスポーツ、学校生活、友人関係など、悩みのタネはいたるところにあります。日常の中で起こる様々な変化が、ストレスの原因になるのです。

◉スポーツ現場
スポーツ現場におけるストレスについて、下記のような記事を目にしたことも多いと思います。
ストレス反応は「Fight and Flight反応」とも言います。文字通り、「戦うか、逃げるか」という意味です。原始時代、人間にとって最大のストレスは猛獣が襲ってくることでした。生死に関わることなので、とてつもないストレスがかかっていました。

その際、ストレスに対応することで、体の中に変化が起こります。猛獣を相手に戦うにしても、逃げるにしても、爆発的なパワーが必要です。戦うか、逃げるか――。その状況下に置かれると、体内からアドレナリンやコルチゾールといったホルモンの分泌が起き、体内に留まっていたエネルギー源が血中に放出されます。つまり、全力を出すためのエネルギーが体内を駆け巡るわけです。

現代に生きていて猛獣に襲われることはありませんが、人間の体はストレスを感じたときに、原始時代と同じ反応をします。嫌なことが起きたときや、スポーツをして急激に身体を動かしたときなどには、アドレナリンやコルチゾールが分泌されるのです。

ストレスが加わったときに、反応してアドレナリンやコルチゾールを分泌する臓器が「副腎」だというのは、前回の記事でもお話ししました。人間の身体には腎臓が左右にあり、副腎は腎臓の上にちょこんと乗っている臓器です。

慢性的にストレスがかかっている状態だと、常にアドレナリンやコルチゾールを分泌しているので、副腎が疲れ果ててしまいます。それが体がだるくなったり、疲れが抜けない状態につながります。


ストレス、プレッシャーがかかりつづける

副腎が常にアドレナリン・コルチゾールを分泌

常に緊張状態・副腎の疲れ

体がだるい、疲れが抜けない・・・

というような流れになっています。

子供のメンタルの不調の原因に目を向けよう

では、副腎が疲れ果てる問題を起こしやすいのは、どんなタイプの人なのでしょうか?
まず、性格的に打たれ弱く、細かなことを気にしやすい、すぐに萎縮してしまう人です。ささいなことでも、副腎が慌ててバタバタ動き過ぎ、消耗してしまいます。

精神的にタフでプレッシャーに強い人なら大丈夫かというと、そうでもありません。頑張れる強さがある人は、頑張り過ぎてしまうからです。責任感が強かったり、周囲の期待に応えようとする気持ちが強すぎたりすると、副腎にも無理がかさなって、悲鳴を上げることがあります。

ある時ガクッと燃え尽きたように、体がとんでもなく重だるくなり、やる気がゼロになってしまう人がいますが、副腎のパワーが尽きるとこうなってしまいます。ですから、繊細で傷つきやすい子でも、プレッシャーに強い子でも、どんなタイプの子でも、頑張っている時には副腎をケアしてあげる必要があります。

「いつも助けてくれるお母さんに喜んでほしいから、ボクも頑張るよ!」という優しいお子さんもいらっしゃるでしょう。一生懸命頑張っているその子の体の中では、副腎がフルパワーで働き続けているはずです。

ましてや、このような情勢の中で、スポーツを行っているお子様は、日常でのストレスに加えて、スポーツでのストレスがかかっている事を忘れてはいけません。

つい、大人は、体を動かせばストレスが発散できていると考えてしまいます。でも、自分に置き換えて見れば、それは一時的な効果にすぎません。

お子さんは自分の副腎の面倒をみることは難しいので、保護者の方のサポートが大切になります。ストレスを発散する時間を作ってあげたり、十分な睡眠をとらせたり。副腎の働きを支える栄養素をしっかり摂らせることも重要なポイントです。

まずは、しっかりと現状を把握して、取り組んで行きましょう。

ストレス防御システム

◉人に備わるストレス防御システム
ストレスを放っておくと身体機能を調整している自律神経の働きが乱れ、健康に大きな影響を及ぼすことになる。ストレス性潰瘍と呼ばれる胃潰瘍や十二指腸潰瘍だけでなく、心筋梗塞、高血圧、不整脈、そして近年ではうつ病やパニック症候群なども、ストレス社会が生んだ現代病とされているそうです。

ただ、こうしたストレス性の病が大きく取り上げられるようになったのは、そう昔の話ではないようで、そう考えると、本来、人は病気になる前にストレスに対処できる能力を持ち合わせているのではないだろうかと様々な記事で記載があります。

「人間はストレスを感じると、脳の視床下部から下垂体に向かって、ストレスホルモンを分泌します。これに反応して副腎(腎臓の一部)から分泌されるのが、アドレナリンとコルチゾール(糖質コルチコイド)というホルモンです。

アドレナリンは、交感神経を刺激することで、心身共にいつでもストレスと戦える準備をします。
対してコルチゾールはストレスと戦うために必要となるエネルギーを蓄えるものです。
要するに、私たちの体には“ストレス防御システム”が備わっているわけですが、、、、

これに対応できるシステムが正常に機能しているかは別の話のようにも思います。
ですから、ケアが必要になるわけです。

ビタミンなどの栄養素を取ろう

◉ストレスへの抵抗力を高めるために必要な栄養
ストレスに対応するために、副腎で様々なホルモンが作られるわけですが、副腎が弱ってる人におすすめの栄養素はビタミンC、パントテン酸(ビタミンB群の1種)、マグネシウムなどのビタミン・ミネラルです。

ビタミンB群はチームで働くので、パントテン酸だけでなく、ビタミンB 1、 B 2ナイアシンなどとセットで摂取すると良いそうです。

マグネシウムはストレスと密接に関わっています。ストレスがかかった状態が長く続くと、尿からマグネシウムが多く排出されます。その結果、ストレスへの抵抗力が弱まってしまうのです。

ストレスへの抵抗力を高めるために必要なマグネシウムは、エネルギーの合成に不可欠な栄養素でもあります。
「幸せホルモン」と言われている、セロトニンという神経伝達物質がありますが、これを作るときにもマグネシウムは必要です。セロトニンが不足すると、イライラしやすくなったり、落ち込んだり、鬱になる原因になります。


◉おすすめの栄養素◉
●ビタミンC ●パントテン酸●ビタミンB1●ビタミンB2●ナイアシン●マグネシウム

◉過度なストレスから解放しビタミン・ミネラルを補給
人間はストレスを受けると、副腎が反応してアドレナリンやコルチゾールを分泌することは、繰り返しお伝えしてきました。そのときに、大量に消費するのがビタミンCです。ビタミンはCは免疫にも重要で、白血球の働きを高めることやコラーゲンの生成にも必要な栄養素です。

全身の臓器でビタミンCは必要なのですが、副腎が活発に動くと、優先的にそちらに送られてしまいます。結果として、免疫力アップや肌の組織を保つコラーゲンを作るために必要なビタミンCが、副腎でたくさん消費されてしまうわけです。

そうすると免疫力が低下したり、風邪をひきやすくなります。そのため、食事に加え、サプリメントで補うことも選択肢に入れておくといいと思います。

スポーツ現場で言えば、必ずしも、「ストレス=悪いもの」とは限りません。仲間と切磋琢磨しながら勝利を目指していくことも、挑戦して失敗や挫折を経験することも、その過程ではストレスやプレッシャーにつぶされそうになるかもしれませんが、本人の成長につながる貴重な財産になります。要は、ストレスがマイナスに働かないように、必要なケアをしてあげた方がいいということです。

お子さんが毎日頑張っているときには、体の中にとても頑張っている臓器があるんだということをわかっておくと、保護者の方も適切なサポートができると思います。

まずはお子さんの様子を観察し、状態を把握して、過度なストレスやプレッシャーから解放してあげること、そして体のことを理解しビタミンCやB群、マグネシウムなど必要な栄養素を補給してあげる。それこそが保護者がすべき、唯一にして最大のサポートだと思います。

ビタミンC・ビタミンB群・マグネシウム

◉ビタミンC
アセロラ(酸味種、生)・アセロラ(甘味種、生) ・ゆず(果皮、生) ・キウイフルーツ(黄肉種、生)・アセロラ(10%果汁入り飲料)・すだち(果皮、生)・レモン(生)

◉ビタミンB群
豚肉・豚レバー・鶏肉・ さば・かつお

◉マグネシウム
ひじき・ほうれん草・玄米ごはん・小麦胚芽・アーモンド

まとめ

このように、日々、ストレスを感じている私たちですが、このストレスを悪いものにするかしないかは、自分次第という事です。ストレスは、絶対にかかりますが、それを事前にどこまで緩和できるのか❔また、そのような環境を作り出せるのか❔習慣化できるのかが鍵のように感じます。

また、自分では、まだコントロール出来ないお子様については、保護者の方が、力を貸してあげて、サポートしてあげてください。ストレスは、いまは大丈夫でも大人になるにつれ、その経験により体調を崩す方も出てきます。

今を大切に、皆さんで健康になって行きましょう。