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背骨と自律神経

背骨と自律神経
背骨と自律神経

福岡天神は、少し寒空となっており、冬の空気を感じます。11月3日土曜日は、福岡国際マラソンが開催する日となっております。近くの平和台球場では、朝から設営や、選手たちがウォーミングアップを行っており、活気が出ております。

今年も、残すところあと1ヵ月となりました。街はクリスマスムードになり、少しワクワクする日常を取り戻しているようにも感じます。当然ながら、忘年会のシーズンと言うことで、例年よりもお酒を飲んだりおいしいご飯を食べる機会が増えている方も多いのではないでしょうか?

こんな時は、疲労が溜まりやすく、コンディショニングを崩しやすい状況にあります。 体の中では、自律神経の、交感神経を優位に働かせながら、仕事や飲み会に参加し、寝不足の状況で、仕事をまた行い、また飲み会に参加すると言う交換神経優位の状況が常に保たれてしまいます。

ですから背骨のことを再学習し、自律神経との関わりについて押さえて、セルフコンディショニングを行い身体を整え2023年を乗りきりましょう。

背骨の仕組みと働き

背骨の仕組みと働き
背骨は1本の骨ではなくて、「椎骨」と呼ばれるブロックの形をした骨がいくつも積み重なってできています。
これを頭のほうから順番に、「頚椎」「胸椎」「腰椎」、そして一番下の大きな骨を「仙骨」と呼んでいます。
仙骨の下端には退化した尾骨がついています。
ブロックの数はいくつあ流でしょうか?正解は、「24個」

頚椎から腰椎まで、ブロックの数は併せて24個あります。
椎骨と呼ばれるブロックの数は決まっています。頚椎は7個、これが人によって8個だったり、6個だったりということはありません。

そればかりか興味深いことに、哺乳類の頚椎の数は基本的には7個です。ネズミのような小さな動物も、キリンのように首の長い動物も、一つ一つの椎骨の大きさや長さは異なりますが、頚椎の数は7個です。胸椎は12個です。胸椎には肋骨がついています。

腰椎は5個です。でも人によって4個だったり、6個だったりすることがあります。5個の人が80%、6個の人が15%、4個の人が5%位といわれています。

その下の仙骨は、もともと5個に分かれていた骨がくっついて一つの骨になったものです。もし4個の骨がくっついて仙骨を作っている場合には、一つ骨が余ってしまいますので、見かけ上腰椎が6個あるように見えることになります。

背骨は前から見るとまっすぐ、横から見るとわずかにカーブしていることがわかりますね(これを生理的弯曲といいます)。

頚椎と腰椎は前に(前弯)、胸椎は後ろに(後弯)カーブしています。赤ちゃんがお母さんのおなかの中にいるときには、背骨はみんな後ろにカーブしています。

ハイハイするようになると頚椎の前弯が、たつようになると腰椎の前弯が形成されてきます。

「体を支える(支持)」「体を動かす(運動)」そして「神経の保護」―この3つが背骨の大切な役割です。

皆さんが座ったり立ったりすることができるのは、背骨が体を支えてくれるからなんです(支持機能)。

荒川静香さんのイナバウワー、覚えていらっしゃる方も多いと思います。あんな華麗な技も背骨が1本の硬い骨では無くて、一つ一つのブロックが少しずつ動くから可能になるんです(運動機能)。

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背骨の役割(神経保護)

背骨の役割(神経保護)
背骨の役割②(神経保護)
背骨の役割は、脳から始まって手足に向かっている神経の通り道を確保して、これを守ることにあります(神経保護)。
脊椎が縦に並んだ背骨(脊柱:せきちゅう)の中には、筒のようになった脊柱管という穴があります。
この脊柱管の中には頭蓋骨の脳から続いている脊髄(せきずい)という神経の塊(かたまり)が通っています。
この脊髄は脳と同じく手足の動きの細かい調整など複雑な働きをする神経の塊で、脳と同じく中枢神経(ちゅうすうしんけい)と呼ばれています。

脊髄は頭蓋骨を出て、頸椎(けいつい)やその下の胸椎(きょうつい)の脊柱管の中を通り、腰椎(ようつい)との境界の辺りまで延びています。そして、その先の腰椎になると、神経の塊である脊髄はばらけて、たくさんの神経の筋(すじ)(神経線維:しんけいせんい)になります。

手術の画像や動画を見たときに、脊柱管の中を覗くと、たくさんの神経がばらばらと髪の毛のようになって並んでいるのがわかります。この髪の毛のような状態を「馬の尻尾」に例えて、馬尾(ばび)と呼んでいます。馬尾は神経の塊ではありませんので、脳からの命令を、電気のコードのように、単純に伝えるだけの役割を果たしています。

このように命令や刺激を直接伝達するだけの神経を,末梢神経(まっしょうしんけい)と呼んでいます。末梢神経は、複雑な調整機能を持つ脊髄や脳のような中枢神経よりも構造が単純になっています。

脊髄(せきずい)が通っている頸椎でも脊髄から神経根(しんけいこん)という末梢神経が枝を出して、それぞれの頸椎から腕や手に、胸椎からは肋間神経(ろっかんしんけい)に、そして腰椎からは足に、命令を伝えています。 

脳や脊髄といった中枢神経は複雑な働きをするコンピューターに、神経根や馬尾といった末梢神経はコンピューターにつながっている電気のコードに例えることができます。当然、末梢神経(電気のコード)は中枢神経(コンピューター)より丈夫です。コンピューター(中枢神経)は一度つぶれると、修理が効きにくいのですが、電気のコード(末梢神経)は丈夫であまりつぶれません。

神経根が圧迫されて症状がでる神経根症(しんけいこんしょう)は、手術をしなくても治ることが多いのですが、脊髄が圧迫されておこる脊髄症(せきずいしょう)では、コンピューターがつぶれてしまうと取り返しがつかないので、早い時期に医師に相談して圧迫をとる必要があるかもしれません。

自律神経と背骨

自律神経と背骨
ここのブロックのブログでは、神経内科クリニックに記載があったブログを引用させていただいております。大変内容がトレーニングをされている方にも重要な点があったので、シェアをさせていただきたいと思います。

自律神経と骨格の話

自律神経失調症外来・気象病外来の最大の特徴は「骨格のゆがみと自律神経」に着目した治療です。一見、「背骨のゆがみや姿勢の悪さがそこまで体調と関係あるの?」と思われるかもしれません。私もそう思っていた過去があるのでわかります。しかし、原因のわからない自律神経の不調に悩まれている方こそ、筋肉や骨格のアプローチに可能性があると思いますよ。

・自律神経が乱れている人は骨格が歪んでいる

私は自律神経失調症外来・気象病外来・頭痛外来などの専門外来を始めて約7年経ちますが、自律神経が乱れている患者さんのほとんどが、背骨の弯曲や歪みがあります。ストレートネックや左右の肩の高さの違い、軽い側弯症、反り腰や平背、骨盤の高さの左右差などがあります。

骨格が歪むと、私たちの体にとってさまざまな不都合が生じます。骨格が歪んで姿勢が悪くなっている分だけ別の場所に負荷がかかり、さまざまな場所の筋肉が凝ることになります。たとえばストレートネックは、首が前に出ている分だけ頭の重さが何倍も首にかかることになります。そもそも頭の重さは4~6kgあるため、その倍になるだけで大きな負担です。その影響で首こり・肩こりが進むと、頭痛などの不調が出ます。

骨格のゆがみがある方は、頭痛だけでなくめまい・倦怠感・動悸・息苦しさ・胃腸不良・耳鳴り・低血圧など、あらゆる不調を抱えている方が多いです。

・骨格や背骨に着目する理由

①自律神経には呼吸が大切

自律神経にとって最も重要といっても過言ではないのが「呼吸」です。呼吸は無意識にできている方の方が多いと思いますので、命に関わる程苦しくならない限りは、そこまで重要視できないかもしれません。しかし、自律神経の不調を抱えている方こそ呼吸が浅く、うまく酸素や栄養が全身に回っていない方ばかりなんです。

呼吸と言えば、肺や胸を想像しますよね。骨格が歪んでいると胸郭が硬くなり、呼吸がしにくく、浅くなります。首や腰が痛い方は、一見首や腰そのものに問題があるのでは?と思う方もいるかもしれませんが、実は胸椎や胸郭の動きに問題がある方が多いです。

②脊椎と自律神経の関係

自律神経の通り道を知っていますか?
自律神経は、脳と脊髄から始まり、各臓器や器官に分布していく神経です。

交感神経系は胸・腰髄から出ますが、副交感神経のルートは脳幹および仙髄から出て、それぞれ各器官に指令がいきます。実は、脳幹から腰髄までのラインは、脊椎(頚椎・胸椎・腰椎・仙椎)のラインと同じです。首・背骨のことですね。

骨格が歪んでいると、自律神経の伝達ルートが妨げられてしまいます。まっすぐな道を進むのと、くねくね曲がったり、狭い道があったりすると通りづらいですよね。ちなみに背骨が歪んでいると、脳脊髄液の流れも悪くなってしまいます(自律神経と脳脊髄液も密接な関係があります)。どちらにせよ、自律神経のはたらきが悪くなる原因になってしまうのです。これも、私が骨格や首・背骨に注目している理由です。

③背骨の動きと自律神経
先ほども言いましたが、私が重要視しているのが胸椎です。首肩コリ、腰痛などがある方は、実は胸椎や胸郭が固くなって、ほとんど動いていないことが多いです。胸郭の動きを良くするためには、背骨全体の動きを良くすることも大切です。ストレッチやヨガ・ピラティスは背骨を意識できるよい運動だと思います。

背骨や胸郭の動きを良くすると、今まで動いていなかった部分のロックが解除されたようになり、血流が良くなったり体の動きが良くなったりします。すると、自律神経をつかさどっている視床下部(脳)に酸素や栄養がより行き渡るので、自律神経のはたらきが良くなります。体の動きが改善すると身体的なストレスが減ることになるので、自律神経の負担も軽減しますよね。

④良い姿勢が体にもたらす効果
アメリカのある研究によると、人は姿勢を良くすると、前かがみなどの悪い姿勢よりもストレス耐性が上がると言われています。姿勢をよくして、抗重力筋を刺激することで、脳内にたくさんのセロトニンが分泌され、ストレスを感じにくい状態を作ります。

・気象病との関係

気象病にも触れておこうと思います。自律神経と気象病はとても深い関係にあります。

最近、気象病の認知度が上がってきたこともあり、「気象病は内耳の部分が問題なのでは?」と言われることが多いです。確かに内耳は気象病のメカニズムで重要な要因ですが、内耳だけが悪いというわけではありません。

内耳は頭蓋骨の中にあり、頭蓋骨は頚椎とつながっております。頚椎は胸椎と、胸椎は腰椎と、腰椎は骨盤群と下肢と足底までつながっています。人間の体は、骨格で構成されているので、「内耳の場所が体の中心線からどの程度ずれているのか」ということが診断の目安になっています。
内耳が安定しておらず揺れやすい状態にあるということは、より内耳が不安定な状態になりやすいと考えてください。骨格は気象病の方にとっても大切ですね。

大変為になるお話でしたので、頭の中に置いて日頃姿勢作りを行うと良いのかなと思います。

まとめ

まとめ
年末にコンディショニングを崩しやすい時期と言うことで、背骨と自律神経の関係性について記載をいたしました。

背骨は様々な役割をしていますが、今回特に取り上げたのは神経の保護をしていると言う役割を中心に記載をさせてもらいました。そして背骨の真横には自律神経が脳まで届いています。

つまり姿勢が悪いことによって、その自律神経にも影響が出てくると言うことを皆様にお伝えをしたかったのです。

つまりただ運動すると言うことですと、一瞬すっきりした感じがするのですが、根本である自律神経の乱れによる疲労と言うのは回復されていません。

ですから正しい姿勢を取れるようになり、正しい関節の動きを覚えて、 正しく筋肉を使う事が求められると思います。

それには、どんなエクササイズを行って行けばいいのかと言うと、お勧めする内容としては、ピラティスで背骨をたくさん動かし、自律神経が整うような姿勢と関節の可動域を獲得する。そこでもともとの動きのエンジンとなる筋肉量を増やすためにレジスタンストレーニングを取り入れる。

そしてその取り入れた体でスポーツを楽しみ、心身をリフレッシュすると同時に、体のケアを行い、長く怪我のしにくい体作りを行う。こういった包括的な体へのアプローチが 心も体も元気にしてくれるのではないでしょうか?心当たりがある方は是非ご相談くださいませ。

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