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発汗の作用

発汗の作用
発汗の作用

福岡天神は、気温と湿度が上がり、夏に向けての梅雨の時期にさしかかっている気候になっています。このような気候になると疲労も出やすくなり、自律神経の乱れが生じてきます。いわゆる5月病にかかりやすい状況になってしまいます。事前に、中強度の運動を行ったり、休養をわざと多くしたり、栄養を撮ることも忘れないようにして行きましょう。

また、普段からトレーニングをしているから大丈夫。。と思っている方も要注意です。普段からトレーニングをしている方は、疲労を感じたら体を動かす事が当たり前になっているために、疲労に気がつかないケースがあります。疲労しているのに運動で交感神経を優位に働かせて疲労を感じないようにしてしまうケースがあるからです。

なので、自身のコンディションをコントロールする事が非常に大切になります。そこで、目安にしやすいのが発汗というわけです。夏の暑い時期を乗り切るためにも、6月は汗をかき、体温調節をしやすくする時期です。体調を見ながら計画的に運動を取り入れて行きましょう。今回は、発汗の知識を深めて自身のコンディショニングに取り入れて行きましょう。

発汗の歴史

発汗の歴史
以前、NHKで放送されていた内容に、発汗の起源という特集が組まれていました。
「発汗の起源」です。


人間の歴史を辿ると、他の肉食動物などに比べると、のろくて非力で武器も持たない動物だったと言います。
そして暑いところに生息している人類が、他の動物を捕食するという、きつくて困難なことを解決するための手段は、いわゆる
持久走だったようです。

最初は、死んだ動物や骨をみつけては、髄液を食べたり、死骸を食べていたそうです。しかし、進化の過程で、道具を作り出したりコミュニケーションを測れるようになってからの進化が持久走へとつながって行きます。

この時の人類の祖先は、まだ、全身を体毛で覆われていたそうですが、狩りを初めてから全身の体毛が薄くなり始めたと言われています。

何故ならば、その時の人類にとっては、怪我をするという事は生命に関わる大変重大な事だったというところがポイントになります。
つまり、カリを行う上で怪我ができないのです。ですから、彼らが選択したカリの方法が持久走だったと言われています。

どういうことかというと、カリをするために、弱った動物を見つけて、後ろをついて行くわけです。
ずっと走り続けていると、当然体温が上昇してきます。これは四足動物も同じです。


四足動物は浅速呼吸(あえぐように息をすること)によって体温を下げるのだが、襲歩(ギャロップ)で駆けている間はそれができないようです。

一方人間は、シマウマよりは速く走れないにせよ、走りながら発汗作用を利用して体温を下げることができます。
この時に、体毛があるとうまく発汗ができなかったので、体毛は薄くなり、発汗により熱を逃がす術を手に入れたのです。

速く走れる動物に対しても、人間は長距離戦に持ち込んで狩りをしていたと考えられているようです。

動物は速くは走れるが全身にある柔毛のせいで発汗によって体温を下げることはできません。


人間から逃げ切ったと思った獲物は日陰に隠れて浅速呼吸をして体温を下げる。
その間に人間はその動物の足跡をたどって見つけてまた追いかける。これを繰り返すことで、
体温が下がりきってない状態で逃げ出す動物は、致命的レベルまでに体温を上昇させられ、熱射病を起こして倒れる。


人間は走っている間も発汗によって体温を下げることができるので、上記の狩りが成り立つのです。
獲物が倒れれば、あとは鋭利なものなどで仕留めるだけなのです。


このように、生命と発汗の歴史には深いつながりがあるとわかると、現代人も発汗の重要性に気がつくのではないでしょうか❔

発汗の役割

普段何気なく経験している「発汗」についてお話ししたいと思います。発汗は、私たちの身体において重要な役割を果たしている生理現象です。暑い日や運動後に汗をかくことは、多くの人にとって当然のことかもしれませんが、その背後には驚くべきメカニズムと効果があります。この記事では、発汗の役割と重要性について深掘りしてみましょう。

温度調節:
発汗は、私たちの身体温度を調節するための重要なメカニズムです。身体が過熱すると、汗腺から汗が分泌され、皮膚表面に現れます。その後、汗が気化することで体温が下がります。このプロセスにより、私たちは過熱から身を守り、快適な体温を維持することができます。

毒素排出:
発汗は、体内の毒素や廃物を排出するための重要な役割も果たしています。汗には、尿素や尿酸などの代謝産物が含まれており、これらの物質が発汗によって体外に排出されます。発汗によって身体は浄化され、健康を維持するために重要な働きをしています。

免疫機能の向上:
驚くべきことに、発汗は私たちの免疫機能を向上させる効果もあります。研究によると、汗には抗菌性のあるペプチドが含まれており、これが身体の防御メカニズムを強化するのに役立っています。また、発汗によって毛穴が開き、皮膚表面の微生物や細菌が排出されることもあります。

ストレス軽減:
適度な運動やサウナなどで発汗を促すことは、ストレスの軽減にもつながります。発汗によって体内のストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が抑制され、リラックス状態が促進されるとされています。

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発汗を促す方法

発汗を促す方法
適度な運動を行う:有酸素運動やインターバルトレーニングなど、心拍数を上げる運動を行うことで、発汗を促進することができます。
温度や湿度の高い環境で過ごす:高温多湿の環境では、身体がより多く発汗しやすくなります。サウナやホットヨガなど、温度が高い場所で過ごすことも発汗を促す方法です。

スパイスを摂取する:一部のスパイスや辛い食品(例:唐辛子)には、体内の熱を上げ、発汗を促す効果があります。食事に少量のスパイスを取り入れることで、発汗を刺激することができます。

サウナや蒸し風呂を利用する:サウナや蒸し風呂に入ることで、身体が熱くなり、発汗が促されます。ただし、長時間の滞在や過度の熱暴露は身体に負担をかけるため、適切な利用時間と十分な水分補給が必要です。

適切な水分摂取を行う:発汗によって水分が失われるため、適切な水分摂取が重要です。運動や高温環境での活動時には、こまめに水分補給を行い、脱水症状を予防しましょう。

ハーブティーを飲む:一部のハーブティー(例:ミントティーやレモングラスティー)は、発汗を促進する効果があります。熱い状態で飲むことで、発汗を刺激することができます。
衣服や寝具の選択:通気性の良い素材の衣服や寝具を選ぶことで、汗が蒸発しやすくなり、発汗を促進することができます。
ただし、個人の体質や健康状態によって発汗量は異なります。また、過度な発汗や過剰な水分摂取は健康リスクを引き起こす可能性があるため、気をつけましょう。

汗の質は汗腺の機能次第

そもそも汗は、体温を下げるために出ているもの。汗は体の表面で蒸発し、そのときに「気化熱」という熱を放出します。この作用により、体温を下げているのです。

汗は、血液から血球を取り除いた残りの液体成分である、血漿(けっしょう)という成分がもとになっています。汗を出す器官である汗腺は、血管のすぐ近くにあり、体温が上がりすぎないよう、状況に合わせて血液中から血漿を取り出し、汗をつくっているのです。 血漿は99%以上が水分ですが、カリウム、マグネシウムなどのミネラルも含みます。

ミネラルは体に必要なものですから、汗腺は、血漿の中の水分だけを濾過し、ミネラルは再度血管に戻してから汗として排出します。こうして出てきた汗は限りなく水に近いので、サラサラしています。これが「いい汗」です。

ところが汗をかく習慣があまりないと、汗腺の濾過機能が衰え、ミネラルも一緒に汗の中へ。すると、濃度が濃いベタついた汗になり、ミネラルが皮膚の常在菌と結合して、くさい汗になるのです。

おまけに、濃度の濃い汗は大粒になって蒸発しにくいので、本来の目的である体温調節もできません。「悪い汗」です。いい汗にするには、たくさん汗をかき、汗腺を鍛えることが大切です。

多汗症のケース

汗さえかいていれば健康かというと、そういうわけでもありません。汗の量が尋常でない、または一部だけにかくなど、汗の出方が不自然な場合、病気が隠れていることも。例えば、糖尿病によって神経障害を併発し、末梢神経や自律神経の働きが損なわれると、大量の汗をかいたり、一部だけにかいたり、逆にまったくかかなくなったりすることも。

バセドウ病では、過剰に分泌される甲状腺ホルモンの影響で代謝が高まり、大量の汗をかきます。
また、更年期の女性にはホットフラッシュと呼ばれる、急激な大量発汗が見られることも。女性ホルモンには発汗を抑制する働きがありますが、更年期には女性ホルモンが減るため、こうした現象が起こるのです。病気でなくても、緊張などから手や足、脇などに大量の汗が出る「精神性発汗」もあります。

いずれも、汗の量が尋常でなく、日常生活に支障を来すレベルとなれば「多汗症」と診断されます。病気由来のものは、その病気の治療が必要です。気になることがあれば、形成外科や精神科のクリニックを受診してみてください。

汗に良いこと

汗に良いこと
有酸素運動で汗腺を働かせる

汗腺を働かせるには、有酸素運動が効果的。激しい筋トレなどの無酸素運動では、急激に汗をかくため、汗腺がしっかりと濾過装置を働かせる時間がなく、悪い汗になってしまいます。ゆっくりといい汗をかくには有酸素運動です。毎日20~30分程度、汗ばむ程度の速さでウォーキングなどをするとよいでしょう。

エアコンに頼りすぎない


近年の酷暑では、エアコンをまったく使わないのは無理でしょう。エアコン漬けの生活だった人が、突然それをやめると熱中症になるおそれもあり、危険です。とはいえ、低すぎる設定温度は汗腺の退化を促し、考えもの。エアコンの設定温度が低めだった人は、有酸素運動による汗腺トレーニングと並行し、3週間くらいかけて、徐々に設定温度を27℃くらいにまで上げてみてください。

入浴は半身浴か手足高温浴を


高温の湯での全身浴では、汗腺が働きません。高温だと、皮膚のセンサーが反応して汗が一気に出るため、悪い汗に。また、周囲にお湯があって蒸発できないため、体温調節ができずにのぼせてしまいます。汗腺を鍛えるには、半身浴か手足高温浴がオススメです。
半身浴では、37~38℃程度のお湯に、みぞおちあたりまで10~15分浸かります。ぬるめなので長時間浸かることができ、体の芯から温まり、いい汗が出ます。
手足高温浴では、浴槽にバスチェアを置いてひじ下、膝下だけを43~44℃の湯に10~15分浸けます。腕や脚の汗腺は衰えやすく、これを鍛えることで休眠していた汗腺が働き出し、よい汗がかけるようになるのです。ただし、皮膚の弱い人や、温度センサーが衰えがちな高齢者は、湯温をややぬるめにしてください。

入浴直後のエアコンはNG

入浴後はエアコンで急激に体を冷やすと、せっかく開いた汗腺が閉じてしまいます。タオルで水分を拭いたら、うちわや扇風機の風で自然に体温を下げながら、汗を蒸発させて。エアコンに当たるのは、汗が出なくなってからにしましょう。
また、いい汗は適度な皮脂を含み、肌を保湿する働きがあります。風呂上りの汗は、肌を潤わせる効果も。

食べ物で汗の質をコントロール


食事には、血行を促進するショウガや、代謝を上げる酢などを取り入れると、いい汗がかけるようになります。また、女性ホルモンには過剰な発汗を抑える働きがあるので、女性ホルモンに似た働きをもつイソフラボンを含む大豆製品を取ると、悪い汗を抑える効果が期待できます。汗のにおいが気になるときは、肉類や脂っこいものは控えめにし、抗酸化作用のあるビタミンCを含む野菜や果物、ビタミンEを含むオリーブオイルや玄米などを取るとよいでしょう。

まとめ

発汗の作用も歴史から紐解くと、納得する部分がたくさんあると思います。
現在、サ活がブームとなっていますが、その理由もよくわかります。

ただ、単に汗を書けば良いというものでもないことも理解ができました。
なるべく、自分の力で汗をかく工夫が必要なのです。

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